体格と性格の関係

2013/12/25 00:01:00 | 素朴な疑問 | コメント:2件

先日の連休で何気なく心理学の本を読んでいると,

体格と性格の関連について書かれている項目がありました.

1921年,ドイツの精神医学者,クレッチマーが「体格と性格」という本を著しました.

その中でクレッチマーは,精神疾患と患者の体型とには一定の相関関係があるとして,「肥満型」「やせ型」「筋肉質型」の3つがそれぞれ精神病気質に対応しているとの見解を述べました.

①「肥満型」=親切,善良,社交的,おおらか⇒「躁うつ」気質

②「やせ型」=内気,非社交的,繊細,もの静か⇒「分裂」気質

③「筋肉質型」=忍耐強い,几帳面,頑固,凝り性⇒「粘着」気質

約100年前のこの理論,糖質制限の理論を知った今,改めて考えてみたいと思います. さらに読み進めるとそれぞれにはこうした特徴があるようです.


①外交的で親切.陽気な躁の部分とくよくよする,うつの部分が混在する.

②内気で繊細な反面,周囲の気持ちを気にしない鈍感な面を持つ.

③几帳面で生真面目だが,柔軟性に乏しく,頑固.時として激昂する.



もちろん,おそらくはすべての人が①~③のいずれかに当てはまるというクリアカットなものではなく,

実際には「①+②」とか,「①,③>②」とか様々なパターンがあるのだと思います.

でも私は糖質は精神に影響を与えると考えていますし,

糖質を摂って太るかどうかの反応にもかなり個人差があると考えていますので,

このように体格と性格が相関しているかもしれないという話にはやや興味があります.


自分自身であてはめて考えると,「①+③」かつ「①>③」はないかと思います.

私はこれまで人生でやせたことがないというほど太りやすい人間ですので,①の遺伝的な体質はおそらく強固にあると思います.ただ③の筋肉質な側面もあるのです.

その目でみると,確かに私には親切,陽気と躁の側面とうつの側面が混在していますし,生真面目で頑固な側面も持ち合わせているので当たっているように思えます.なんだか心理テストみたいですね(心理学の本ですが).

このクレッチマー理論はエビデンスがまだ言われていない頃の話ですから,おそらくは徹底して多くの患者さんを観察して得られた仮説なのだと思いますが,

例えば私は実臨床で「やせ体質の人」は糖質を摂って太らない代わりに,精神的にさまざまな不調をきたす例を多く経験しています.そういう意味では「やせ体質」⇒「分裂気質」というのは当たらずしも遠からずといった印象です.

事実を元に考えるという姿勢は大事です.上記の事は科学的にどうしてそうなるのか説明するのは現時点では難しいのでしょうけれど,

おそらく理論は後からついてきます.自分が生きている間に解明されるとは限りません.ありのままの事実を記録しておくということも科学の発展においては重要だと考えます.

さてよろしければみなさんも自分でやってみて下さい.どれくらい当てはまるでしょうか.


たがしゅう
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コメント

おもしろいですね

2013/12/25(水) 07:04:02 | URL | わんわんこと長谷川 #n.5uQ5aw
私の場合 ①+②のようです

①外交的で親切.陽気な躁の部分とくよくよする,うつの部分が混在する.
②内気で繊細な反面,周囲の気持ちを気にしない鈍感な面を持つ.

別の話になりますが、血液型で性格分析をしている本がたくさん出ていますが、人を基本的に4種類に分けていますが、私は典型的B型です。科学的な根拠は不明ですが・・・
 体型については、食生活が大きく影響するのでしょうね。

 私は、20歳までは、あだ名が「やせ」でしたが、お酒を飲む夜うらなり、かつて体重100kgをこえたことがあります。
 江部先生と同じで、「エビスビールと吟醸酒で糖尿病発病です・・(苦笑)」
 15年くらいで、尿糖の異常が出始めました。

クレッチマー「体格と性格」読んでみます。

>理論は後からついてきます.自分が生きている間に解明されるとは限りません.ありのままの事実を記録しておくということも科学の発展においては重要だと考えます.

 科学者に必要な態度・考え方ですね。
「歴史の限界」を考えた上で・・ためになりました。

Re: おもしろいですね

2013/12/25(水) 07:45:53 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
わんわん さん

 コメントを頂き有難うございます.
 
 血液型占いも現時点で科学的根拠不明です.でも関連あるにせよないにせよ,将来的には解き明かされる日が来るかもしれません.

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