仕事のストレスは良いのか、悪いのか

2018/03/24 00:00:01 | 素朴な疑問 | コメント:0件

とあるやせ体質の方から興味深いお話を聞かせて頂きました。

その方のお父さんのお話なのですが、その方と同様にやせ体質であったお父さんは、

定年前の仕事をしている時代、太っている姿を目にした事は一度もないというほどスマートな体つきであったそうです。

ところがそのお父さんが定年後仕事をやめて自宅でゆっくりとした生活をするようになってから太り始めたということです。

やせ体質の方が太るということですから、太ったとしておそらく10kg前後のレベルだと想像されますが、

問題は仕事をしている時にはやせていて、仕事をやめた途端に太ったという事実がなぜ起こったかということです。

普通に考えれば仕事をやめて時間のゆとりができて、食べる内容や量が変わったという事が考えられますが、

はたしてそれだけの話でしょうか。
つまり、仕事がその人のストレスマネジメントに良い影響を及ぼしているケースがあるという可能性を検討すべきだと私は考えます。

先日、ブログ読者のやまたつさんより、

テレビで活躍するような細マッチョのイケメンやファッションモデルについてのコメントがあり、

彼らにはストレスマネジメント的に紙一重のストレスがかかっている可能性があるとの私の見解をコメント返ししましたが、

仕事で充実感を感じている人にかかっているストレスは、むしろ本人に良いストレスマネジメント効果をもたらしている可能性もあるかもしれません。

そうしたスタイル抜群の芸能人の人達が、もしも何らかの事情でテレビを離れることになれば、同じような抜群のスタイルをはたしてキープできるのであろうか、ということです。

もし芸能界での仕事を悪いストレスと受け止めていれば、

テレビから離れることによって体調は回復する方向に向かうはずですが、

逆に芸能界での仕事を良いストレスと受け止められている場合は、

テレビから離れることによって体調が悪化しえますし、場合によっては太る事もあるかもしれません。

冒頭紹介したお父さんも、もしかしたら仕事に良い生きがいを感じておられたのかもしれないと想像します。


哲学者のバートランド・ラッセルは、仕事をすることも幸せになる上で大事な要素だと述べています。

いくつか仕事について述べたラッセルの名言を紹介します。

仕事がおもしろい場合には、単なる退屈しのぎよりもはるかに高度な満足が与えられる。

仕事をおもしろくする主な要素は、二つある。一つは、技術を行使すること。もう一つは建設である。

目的の持続性ということは、幸福の最も本質的な成分の一つであるが、たいていの人びとの場合、これは主として仕事を通して得られる。

首尾一貫した目的だけでは、人生を幸福にするのに十分ではない。しかし、それは、幸福な人生のほぼ必須の条件ではある。そして、一貫した目的は、主に、仕事において具体化されるのである。


仕事とバランスをとりながら、趣味を持つ事も大事だとラッセルは述べていますが、

人生の目的が明確でそれに向かって持続的かつ建設的作業を行うこととなる「仕事」にも、

幸せになる上で大きな役割があるという事を指摘しているのだと思います。

私も医師という仕事を通じて、糖質制限に学ぶ自然重視型医療を広め、弱点も理解しつつ建設的に発展させていくことで、

確かに以前に比べて大きな幸せを感じながら仕事に取り組むことができているように思います。

しかし同じ仕事であっても、目的もなくただ強制的な仕事からは幸福感はきっと得られないことでしょう。

単にお金を稼ぐ手段としてだけではなく、

人生を幸せにするためのツールとして

仕事をすることができるようになるとよいですね。


たがしゅう
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