物事の裏側からも考える
2018/01/15 00:00:01 |
ふと思った事 |
コメント:16件
人に集まってもらうためには、その道標となる信念をしっかりと構築しておくべきという話をしました。
逆に言えば、信念がないままに人を集めようとしても、集まる側の立場からすれば、
信念がないその多大勢のものの中に紛れて、人が集まるかどうかは運を天に任せるのみという状態になってしまいます。
このように物事の裏の側面を考えることは大事なことだと私は思っています。
高校数学で「逆・裏・対偶」というのを習った記憶があります。
今、「pという状態であれば、qという状態になる」という命題に対して
「qという状態であれば、pという状態になる」というのがこの命題の「逆」、
「pでないという状態であれば、qでないという状態になる」というのがこの命題の「裏」、
「qでないという状態であれば、pでないという状態になる」というのがこの命題の「対偶」と言います。
そして、ある命題を証明するためには、その命題の対偶を証明することができても成立する、ということを習ったと思います。
分かりやすい例で言えば、「カラスは黒い鳥である」という命題を証明したければ、
「黒くない鳥はすべてカラスではない」という対偶を証明することができれば、命題を証明したことにもなるというわけです。
勿論、この例の場合、世界中の全てのカラス以外の鳥を調べなければならないので、対偶を証明する方が大変なわけですが、
数学の世界では対偶を証明することで命題を証明するというアプローチが突破口となるという話だったと思います。
それを踏まえて冒頭の話に戻りますが、
「信念があれば、人は集まる」という命題の対偶を考えてみますと、
「人が集まらなければ、信念はない」ということになると思います。
一見妥当なように思えますが、実際は数学の世界のようにきっちりとは区切れません。
信念があっても人が集まらないことや、信念がないのに人が集まることも現実には起こりえます。
けれど、命題と対偶を照らし合わせることで、自分の行なっていることの妥当性を大まかに確認することはできるのではないかと思います。
例えば私は、「自分の頭で考える力」を重視していますが、
「自分の頭で考える力があれば、人生はうまくいく」という命題の妥当性を考えてみます。
この命題の対偶は「人生がうまくいかない人は、自分の頭で考えずに誰かの言うことを信じている」ということになると思います。
これは比較的妥当性の高い対偶なのではないでしょうか。
このようにして物事を裏側の側面からも捉えるようにすれば視野が広がると思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
おはようございます
難しいことはよくわからないけど、物事がうまくいかない人は自分で考えて納得した行動を取ってないんですね
そしてうまくいかなければ、人のせいにしてしまう・・・
でも、物事のしっかりとした指針や正しい基準は必要ですね
先生の言ってること納得します。
ありがとうございます。
杉花粉で起きる咳喘息、Ⅰ型のアレルギーは副交感神経が優位の時、夜間や早朝に症状が出ます。花粉が飛んでいても比較的日中は楽です。ですが風邪を引いた後に出てくる咳喘息は自律神経の症状が逆です。咳喘息が出はじめ症状のピーク時は夜間でも姿勢的に横になるのは辛いですが、座っていれば楽です。ですが日中体を動かすと咳が出てきて辛いです。交感神経優位の時と思います。
咳喘息から気管支喘息にもなりかけたみたいで、気管支が狭窄してピークフローの数値が低下した時はβ2刺激薬は速やかに数値を上げますが、咳喘息の咳の引き金の若干の気管支の狭窄にβ2刺激薬を使っても咳は止まりません。効いているのかいないのか分かりにくいです。COPDに使われる副交感神経遮断薬、抗コリン剤の方が吸った瞬間楽になると感じた事もあります。自律神経の症状が逆、薬の効き目も逆、アクセルとブレーキが逆というのはどういう事でしょうか?。ストレスが自律神経に影響を与えているという事もあると思います。
風邪の引き始めの痰がらみの咳は自然免疫によって、風邪の治りかけに出てくる乾いた立て続けに出てくる咳喘息の咳は獲得免疫によって、この獲得免疫がオーバーヒートしているという事でしょうか。
ホメオパシーをやってみて思う事があります。風邪の後の咳喘息はⅠ型ではない、Ⅲ型の自己免疫疾患ではないかと思っています。女性に多い、難治性である事(ステロイドの内服が必要)好酸球、IgEは高くない、好中球が高い、風邪の後に悪化するなどは自己免疫疾患と一致している様に思います。
風邪をが治りかけてくる頃IgGが出来てくる頃と思います。そのIgG抗体が悪さしている様に思います。風邪を引いたら自己免疫疾患の免疫複合体のIgGを作り出してしまう様な免疫記憶が形成されている様に思います。
Ⅰ型のアレルギーは気管支の気道側(外側)から、風邪の後の咳喘息は気道の内側から炎症が起きているとしたら、自律神経の症状はどうなるのでしょうか?。
今回の記事も参考になりました。「風邪の後の咳喘息の咳は自己免疫疾患の仕組みで出ている」という事を証明したければ「自己免疫疾患の仕組みで出ていない咳は風邪の後の咳喘息の咳ではない」と証明したとしても難しいと思います。
3年間色々調べたり、自分の頭で考えてきましたが難しいです。間違いのご指摘もお願い申し上げます。
池澤先生は糖質制限は危険だリブレがその証拠であると。
たがしゅう先生の意見をお聞かせください。
皆、不安です。
一応公開にしますが、問題あるなら公開せずにお応えいただけたらと思います。
Re: おはようございます
コメント頂き有難うございます。
> 物事のしっかりとした指針や正しい基準は必要ですね
最初の本当に何もわからない時代であれば、ある程度誰かに導かれるという時代はあってよいと思いますが、
ある程度成長して独り立ちするのであれば、自分の人生の指針や基準は自分の力で頭の中を整理し、内省して構築していくべきだと私は考えます。さもなくば、自分の人生が様々なことに振り回されてしまったとしてもそれは無理もないことだと思います。
Re: タイトルなし
コメント頂き有難うございます。
「ヒトは自分の見たいものしか見ない」という言葉もあります。
自分にとって都合の良いところからだけで考えるのではなく、裏から考えても整合性があるかどうか考える姿勢は大事だと思います。
No title
「人生がうまくいかない人は、自分の頭で考えずに誰かの言うことを信じている」
私たちは、何が正しいか自分で判断出来ない状況では、
周りの人達の行動を正しいものだと考え、
自分がどう振る舞えば良いかを決める手掛かりとする傾向があります。
「社会的証明の法則」です。
このような心理は悪用されやすいものです。
「物事を裏側から考える。」
大衆心理に流されず、自分の頭で考えるには、
とても良い方法だと思いました。7968
Re: タイトルなし
御質問頂き有難うございます。
まずアレルギーという病態は「副交感神経系の過剰適応(オーバーヒート)」という側面があると思います。
2015年2月2日(月)の本ブログ記事
「ストレスとアレルギーと副腎機能」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-562.html
も御参照下さい。
風邪を含めた感染症は自律神経の観点で見れば「交感神経刺激」となります。
自律神経系が健康な人であれば、風邪を引いて交感神経優位になっても、副交感神経の方が活性化し元の自律神経バランスへと戻るように仕向けられます。
しかしストレスが重なり頻回に交感神経刺激が加わったり、何度も感染症にかかったりする状況があれば、交感神経優位状態を戻すための副交感神経が働き過ぎてしまう事になります。
その副交感神経のオーバーワークにより、副交感神経が過剰適応(オーバーヒート)してしまった時にアレルギーの病態が起こってくるのではないかと思います。従って風邪の後に咳が治らないのは、アレルギーの一種である咳喘息の病態が加わっている可能性は十分にあると思います。
咳喘息は気管支喘息の軽症型です。副交感神経のオーバーヒートが強くなれば咳喘息→気管支喘息へ移行の流れもありうると思います。
そしてそのような状態を元に戻すためには、強力な交感神経刺激を加えるか、一旦強制的に副交感神経をシャットダウンさせるかという事になります。前者の例がステロイドで、後者の例が抗コリン薬という事になります。
2014年10月10日(金)の本ブログ記事
「難治性でも諦めない」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-446.html
も御参照下さい。
そして御指摘のようにアレルギーと自己免疫性疾患には共通病態があるのではないかと個人的には思っています。
なぜならば両方ともステロイドがキードラッグとなるからです。しかし自己免疫性疾患と自律神経との関連に関しては勉強不足でまだ十分に語ることはできませんので、少なくとも現時点では私の印象のみです。
従って、自律神経が全てではないので一概には言えませんが、
「風邪の後の咳喘息の咳は自己免疫疾患の仕組みで出ている」という側面はありそうで、その主な仕組みのひとつが「副交感神経機能のオーバーヒート」ということではないかと私は考えます。
Re: タイトルなし
コメント頂き有難うございます。
その測定値の正確性がまだ確立されていないリブレの値を前提に理論を展開するのは時期尚早だと私は思います。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
何が正しいのかを自分で判断できない人は、
自分で考えることから目を背け続けてきた人なのではないかと思います。
そういう意味で医学界を席巻したEBM(根拠に基づく医学)という考え方は、
医師から自分で考える力を奪った側面があり、その弊害が現代の医療へ如実に現れてしまったように私は思います。
簡潔に質問いたしますが、パレオドクターの崎谷先生やその影響を受けている池澤先生の考え方については、たがしゅう先生はどう思われますか。
Re: タイトルなし
> パレオドクターの崎谷先生やその影響を受けている池澤先生の考え方については、たがしゅう先生はどう思われますか。
どんな考え方の事をおっしゃっているのかわからないので、御質問にはお答えしかねます。
いわゆる糖質制限は危険だという考え方です。
いま、崎谷先生や池澤先生の影響から糖質制限から糖質選択に移行している人たちが増えています。今後も増えるでしょう。
たがしゅう先生は「嫌われる勇気」ではありませんが、糖質制限の決定的な欠陥が見つかったとして、江部先生や夏井先生と侃々諤々の議論をする用意はありますか?
Re: タイトルなし
私は糖質制限が危険だとは考えません。
だからこその糖質制限推進派医師です。その理由は当ブログで様々な角度から論じてきたつもりです。
> いま、崎谷先生や池澤先生の影響から糖質制限から糖質選択に移行している人たちが増えています。今後も増えるでしょう。
糖質選択という考え方はあってよいと思います。
それを実行するかどうか、決めるのは自分自身です。
○○先生に影響されて△△へ移行するという人達はそもそも自分の頭で考えていません。
そういう人達がマスコミや権威者などに左右され世論と呼ばれるものが形成され、世の中の大勢が決まるというのは糖質制限の話に限らず世の常です。そうした人達の流れをそもそも私はどうすることもできません。
> 江部先生や夏井先生と侃々諤々の議論
私にとって江部先生と夏井先生は人生の師匠です。
ヒトは間違う生き物なので、師匠も間違う可能性は当然ありますが、師匠に対する敬意だけはたとえどんな状況になっても忘れず持ち続ける心持ちでいます。
一方で「守・破・離」という考え方の下、いつかは師匠を超えていきたいという気概もあります。
2017年7月21日(金)の本ブログ記事
「師匠を超えていく」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-1036.html
も御参照下さい。
だから師匠に敬意を払いつつ意見交換をするという事は当然ありうると思います。
No title
風邪の咳は交感神経刺激、いつしかアレルギーの「副交感神経機能のオーバーヒート」の咳に変わり、更にそれでも交感神経優位の時の咳がひどくなる。私は軽症型でありながら難治性ですね。パーキンソン病とは逆に、交感神経を遮断するような、副交感神経を刺激する様な薬を使ったら楽になったのでしょうか?。考えたら余計分からなくなってしまいました。
三年前、呼吸器の先生に同じ質問をさせて頂きました。先生は「わからない事だから上手く伝わるか分からないけど」とおっしゃて「交感神経の薬は若い人に効きやすい、抗コリン薬はご年配の方に効きやすい、そして重症の患者さんに追加で使われる」と教えて頂きました。その時、咳喘息はあまり詳しい事が明らかになっていない、薬はステロイドの内服以外あまり効かない事もあり、西洋医学で治療していくことに絶望を感じ、治療を断ち切り、糖質制限とホメオパシーに切替えました。
たがしゅう先生の記事を読んで、三年経ってやっとあの時欲しかった答えはこれだって思いました。あっちふらふら、こっちふらふら、遠回りしながらやっと辿り着きました。でも三年間は無駄じゃない、色々な事気付きがありました。ずっと欲しかった答えを教えて頂いてありがとうございました。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
まず「咳喘息が気管支喘息の軽症」という書き方は不適切でした。
正しくは「咳喘息は気管支喘息の亜型」といった方が正確だと思いました。
謹んで訂正させて頂きます。
> 交感神経を遮断するような、副交感神経を刺激する様な薬を使ったら楽になったのでしょうか?
それは何とも言えません。
ステロイドは交感神経強制刺激薬として優秀ですが、
それは生物というものが生きていく中で生じるストレス(交感神経刺激)に対する対抗手段として長い年月をかけて創り出してきた物質だからであろうと思います。
一方でステロイドに相当する副交感神経強制刺激薬はありません。
おそらく副交感神経がオーバーヒートするような事態は、野生動物の世界ではありえない現象で、自然の中でそういう物質が出来上がらなかったからではないかと思います。
強いて言えば、副交感神経強制刺激薬として認知症の治療薬などでも使われるコリンエステラーゼ阻害剤がありますが、これは人為的に合成した薬なので副作用が出るリスクもあります。西洋薬というのは基本的に無理矢理代謝を捻じ曲げる類の薬が多いので、あっちがたってもこっちに歪みができてしまうような事は現実の中でも多々起こっています。
そんな薬に頼るくらいならば温めたり、おいしいものを食べたりでより自然な形で副交感神経を刺激した方がよほど健全な治し方だと私は思います。
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