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趣味を持ち幸せに近づく

category - お勉強
2018/ 01/ 05
                 
ラッセルの幸福論の中で私の印象に残った箇所の一つに、

趣味を持つことの効用」について非常に強調されて語られる部分があります。

ただここでラッセルは趣味の定義を「私心のない興味」としています。

言い換えれば「ある人の生活の主要な活動の範囲外にある興味」のことで、

例えば私の趣味は読書ですが、私が仕事に関係する医療に関する読書は「私心のある興味」となってしまいます。

同じ読書でも医療や医療に関係しえない分野の読書がラッセルが勧める『私心のない興味』ということになるわけです。

それならば仕事の利益や損得に関係なく純粋に楽しめるような本、私の場合は例えば小説や料理本などになるでしょうか。
            

なぜ「私心のない興味」がよいかという理由について、ラッセルは3つの効能を述べています。

1. 気晴らしになる
2. 仕事とのバランスをとることができる
3. 悲しみを癒す


ラッセルは身体的な疲れも不幸の原因として挙げているのですが、

その疲れは精神的な疲れに起因すると言及しています。これはなかなか鋭い視点です。

なぜならば心身一如の東洋医学的思想やストレスがストレスホルモンや自律神経を介して身体に支障をきたす西洋医学的メカニズムとも通じるものがあるからです。

没頭できる仕事とは関係ない趣味があれば、気晴らしとなり精神的な疲れが癒されるとともに身体的な疲れも和らげることができる、というわけです。

また仕事ばかりにかまけていると、どれだけ順調に行っていたとしても、見える世界はだんだんと狭まり、広い世界の様々な幸せの種を見過ごすことにもつながってしまいます。

だからこそ趣味を通じて仕事とのバランスをとることで視野を拡げることができるというわけです。

そして趣味はいざという時の悲しみを癒す効能さえあるというのです。

例えば愛していた人が死んでしまったとき、人は悲しみに打ちひしがれます。

普通は悲しみに打ちひしがれて何をする気も起きなくなっても不思議ではない状況です。

しかしそんな時、普段から習慣的に行っている趣味があって、少しでもそちらに意識を向けることができれば、悲しみをいくばくか和らげることができます。

これは私も思い当たる節があります。趣味というのとは少し違うかもしれませんが、

私は10数年前の研修医時代から夏井先生の新しい創傷治療のサイトを毎朝見るのが習慣になっていました。

一方で私は糖質制限に出会う直前の約6年前は実は、超肥満とうつ病の二重苦で自殺願望を抱くくらい辛い気持ちを抱えていました。

しかしそんな絶望の中でも朝だけは習慣的に夏井先生のサイトを見る行動だけは癖になっており、

結果的にそのことが私を糖質制限と引き合わせ、悲しみを癒すことができたのだと振り返って思います。


そのように「私心のない興味」を持つことには幸せに向けて大きなメリットがあるのですが、

ラッセルは同時に「私たちの別々の趣味や欲望は、おしなべて人生の全般的なわくの中にきちんと納まるものでなくてはならない」とも注意喚起しています。

例えば、いくら「私心のない興味」といっても、ギャンブルを趣味にして全財産をつぎ込むようなことをしては逆効果だということです。

バランスのよい趣味を行うための枠としてラッセルは次の4つを紹介しています。

①健康であること
②人並みの能力があること
③必需品が買えるだけの収入があること
④妻子への義務を果たせること


もしも新しい趣味が出来てそれに集中するようになった場合、

これらの枠組みを外れていないかを時々振り返るようにするとよいかもしれません。

以上を踏まえて、私の趣味の読書を軌道修正するとすれば、

できるだけ仕事とは関係ない内容の本にも興味を持つようにする必要がありそうです。

読者の皆さんにも幸せになるための参考として頂ければ幸いです。


たがしゅう

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コメント

非公開コメント
        

No title
たがしゅう先生

趣味と言っていいのか…好きなことが多いのですが、納得の連続でした。
過去に現実を受け入れられず、現実逃避と思いながらも好きなことに没頭することで持ちこたえたことがありました。

4つの枠組にも納得しました。
続いている趣味は全てこの範囲内です。
年上の方から、高齢になってなにか始めようとしても覚えるのが難しい。若いうちにちょっとでもかじっておくと違うよ、とアドバイスを頂き、ならば!と気になることに挑戦していた時期があります。続いていないことは熱意もあるでしょうが確かに4つの枠外でした。
おもしろいものです。

私の読書も基本図書館利用です。
あまりにも本がありすぎるので選ぶのに迷いますが、それも幸せな時間、そんな時は先生のお勧めの本を選ぶことも多くあります。
先生のお勧め本、これからも参考にさせて頂こうと思っております。

Re: No title
花鳥風月 さん

 コメント頂き有難うございます。

 読書はラッセルが勧める趣味の一つです。
 何を趣味にしたらいいかわからないという人に幅広い可能性を与えてくれるものだと思います。

 ラッセルに言われるまで、趣味というものにここまで大きな意義があると考えた事はありませんでした。今後も仕事とは関係なしで楽しめる何かを大事にしていきたいと思っています。
朝ドラフリーク
新年おめでとうございます。
先生を救ってくれたサイトがあったのですね。毎日の習慣が自分を救ってくれるなんて、ある意味、芸術ですね。

私は朝ドラです。
なんだか一生懸命やっているヒロインには、悪口も言えない。ダメ出しもできない。ヒロインはかわいいし、イケメンは目の保養だし、出てくるほとんどがいい人。うまくいかなくても頑張る、ヒロインの懸命さに、励まされるのです。

題材も、

あまちゃん(アイドル)
カーネーション(服作り)
マッサン(実業家の妻)
まれ(お菓子作り)
花子とアン(文学)
わろてんか(寄席のおかみ)

みんな女の子やおばさんやおばあちゃまの好きなものばかり。

ヒロインを自分と同化したり、こんな友だちがいたなあと思ったり、見ている人同士では話が盛り上がります。

ヒロインに会いたいから、7時半までには洗濯を干しきるという執念にも似た意欲も湧きます。毎朝元気が出るのは、朝ドラです。
NHKの甘いワナですね。
No title
いつも興味深い記事をありがとうございます。

「ラッセルの幸福論」とても参考になりました。
自分に置き換えて考えることが出来ました。

私の場合は、まず、
自分が望んでいるものを明確にするところからスタートです。

「バランスのよい趣味を行うための枠」
思ってもみなかった発想で、新鮮さを感じました。
この枠を意識して、新たな趣味を見つけようと思いました。
どんな趣味が見つかるのでしょう。
楽しみです。




No title
たがしゅう先生


記事の趣旨と少々ズレるコメントになりますが、書かずには居られない思いがしました。

先生が夏井先生の記事云々のお話し、私にとっては毎日のたがしゅう先生のブログこそが大きな支えになっているのです。

職場で難しい問題に直面しても、先ずは毎朝先生のブログを拝見する事でチカラをもらっているわけです。


毎日のたがしゅうブログ、私にとって有り難い大きな存在です。今年もよろしくお願いします。

くんだみえ
Re: 朝ドラフリーク
エリス さん

 コメント頂き有難うございます。
 
 私もエリスさんに勧められ、あまちゃんの再放送あたりから朝ドラを見始めました。
 最初は15分という短さに不完全燃焼感を覚えて慣れませんでしたが、根気よく見続けているとだんだん世界観が広がって終盤頃には終わるのが惜しくなるという経験を何度かしています。

 演じられる俳優さんの技術もさることながら、長きに渡って視聴者を引き付けられるストーリーを作る脚本力にもものすごいものがあるなと感じます。私もすっかり朝ドラファンになってしまったようです。
Re: No title
> 「ラッセルの幸福論」とても参考になりました。
> 自分に置き換えて考えることが出来ました。


 コメント頂き有難うございます。
 何かのお役に立てればとても嬉しく思います。
Re: No title
栗田三江(くんだみえ)さん

 コメント頂き有難うございます。
 また過分な御評価に恐縮致します。

 これからも私のできる事を着実に続けていきたいと思います。
 今年も宜しくお願い申し上げます。