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外向き思考で幸せを目指す
まず前提として、ラッセルは哲学とともに数学にも精通した学者でしたので、
幸福論の内容は自分の経験を細かく分析して、幸せになるための方法をまるで数学の公式のように導き、
しかもこの方法論を仮説としてではなく、「すでに実証済の方法論」として紹介している所にラッセルの積極性を垣間見ることができます。
そして幸せとは、熟れた果実が運よく落ちてくるように手に入るものではなく、自らが行動して手に入れようとして初めて獲得できるものだと言っているのです。
まさに人為によってストレスにうまく対処するストレスマネジメントの考えと共通しています。
さて、ラッセルは自分が幸せになれた理由として次の3つを挙げています。
①「自分がいちばん望んでいるものが何であるかを発見して、徐々にこれらのものを数多く獲得したこと」
②「望んでいるもののいくつかを、本質的に獲得不可能なものとして上手に捨ててしまったこと」
③「自分の欠点に無関心になることを学び、だんだん注意を外界の事物に集中するようになったこと」
なかなか本質をつく汎用性の高いアドバイスであるように思います。
これを自分に当てはめて考えてみたいと思います。
①について、私が望む一つの大きなことは糖質制限を通じて現代医療で救われない患者さんを救うことです。
すでにこのブログを続けることによって糖質制限の選択肢を伝えることができた方も少なからずいますので、
徐々にこの望みを私は叶えつつあるということになりますが、まだまだ全国に知らない方々は大勢いますので道半ばといったところでしょうか。
②について、こういうアドバイスをしてくれる人はなかなかいないので貴重だと思うのですが、
残念ながら糖質制限をどれだけ合理的にわかりやすく伝えても、わかってもらえない人は一定の確率で存在しますので、
そう言った人へ糖質制限を伝えるのは上手に諦めなければ幸せになることはできないということだと思います。
ただそのような人達に糖質制限を伝えることが本質的に不可能かと言われたらそうとも言い切れないので、この辺りは線引きの難しいところです。
③について、私の場合なら糖質制限を続けても標準体重まで減量し切らないところが欠点に当たるかもしれませんが、
そこに関してはありのままを受け入れて、無駄に悩んだりせず、それ以上に自分が糖質制限によって受けたメリットをまだ見ぬ糖質制限を知らずに苦しんでいる人達に着実に伝えていくということに意識を向けよ、ということだと思います。
こうして考えると、今私はそこそこ幸せへの道を歩んでいるということになりますが、
実際は人生そう単純ではありません。恋愛のこと、趣味のこと、働きやすさのこと、様々な要素で人生は構成されています。
そのそれぞれに対して①〜③の要件が当てはまるかどうか、考えてみる必要があるのだと思います。
ただこれはあくまでもラッセルが考える幸せになるための基本条件ですが、
ラッセルの幸福論はここから大きく二つの構成に分かれて理論が展開されます。
第一部は「不幸の原因」について、総論と各論に分けて論理的に解説し、まずはこれらを知ることが幸せになるための前提として必要だと述べられています。
確かに不幸の原因を取り除かないまま幸せになるための方策をいくら講じたところで、
まるで根本原因にアプローチしないまま、ただひたすら薬を投与し続けたり、手術で目の前の問題を先延ばししたりする西洋医学的アプローチと同じ構造になってしまいます。
そして第二部で改めて「幸福をもたらすもの」と題して、総論と各論に分けて幸福になるために大切な要素や考え方が紹介されています。
非常にわかりやすい構成だと思いますし、それぞれで紹介される内容もラッセルの実体験から導かれた具体例を交えて非常に説得力のあるものです。
全てを紹介するには記事が多くなりすぎるので気になる方は是非とも本を読んでもらいたいですが、
総じて私が思ったことは、「不幸の原因は内向きの思考。幸せの要因は外向きの思考。」という内容にまとめられます。
特に、思考を外向きにするという考えは、アドラーの貢献感やカントの公開性など数々の偉人達の言葉と共通するところです。
次回はラッセルの幸福論の各論部分で私が参考になったところを少し紹介したいと思います。
たがしゅう
コメント
糖質制限、多くの人に伝わるといいなぁって思いました。
私はできてないですが、体調を整えて、
やりたいです。
先生頑張ってください🌟
2018-01-04 08:57 瀬川里香 URL 編集
Re: タイトルなし
コメント頂き有難うございます。
やりたいと思っているのにできない所に依存症の構造があります。
あせらずできる所から取り組んでいくとよいと思います。
2018-01-04 11:09 たがしゅう URL 編集