作られた嗜好性
2013/12/15 00:01:00 |
自分のこと |
コメント:6件
私はもともとお米が大好きな人間でした.
「三度の飯より米が好き」という表現がありますが,私はまさにそれでした.
子どもの頃からたくさん食べると大人に褒めてもらえるのが嬉しくて,出されたものは必ず残さず食べていました.
「おかわり」をすることは元気の象徴だと思い,毎日もりもりごはんを食べ続けていました.
あまりに豪快にごはんを食べていたため,ついたあだ名は「ライスセンター」でした.
ついには7万円の高価な炊飯器を買うほど米が好きになっていました.
そんな米が好きな自分は今までもこれからもずっと変わることはないと当然思っていました.
しかし糖質制限を知り,実際に実践してみることによってそんな自分が変わるということを知ったのです.
米を食べなくなって初めて,米に中毒性があるということを知りましたが,
いわゆる「ハマってしまうもの」にはこの「中毒性」が絡んでいることが多いです.
米,すなわち糖質に中毒性があるという事を知った今は,他にも世間でみられる当たり前の光景に中毒が関わっていることを感じられるようになりました.
その最たるものは「甘いものがやめられない」という現象ですが,これも糖質を断てばわかりますが,その執着が不思議なくらいになくなっていくのがわかります.
この場合甘いものを断つだけでは中毒性は取れません.炭水化物の中にも大量の糖質が含まれているからです.
同様に果物がやめられない,という人にも糖質の中毒性が関わっています.これも糖質を断てば作られた自分であったということがわかります.
一方タバコを吸っている人も,タバコが悪いという事がこれだけ周知された世の中であっても止めようとしない人はまだまだ多いです.それというのもタバコに中毒性があるからです.理屈ではないのです.
つまり,中毒性によって嗜好性は作られるのです.
この事は糖質をやめない限りはおそらく信じてもらえないと思います.
思えば中毒性のあるものは,ヒトが生きていく上で必要のないものばかりです.
タバコ,アルコール,カフェイン,睡眠薬,麻薬,覚せい剤…
そしてこの並びの中に糖質もあります.
「そんなことはない,糖質も大事なエネルギー源だ」と思っている方はよく考えてみて下さい.
必須糖質というものは栄養学の中に存在しないということを
脂質,蛋白質を栄養にしてブドウ糖は作られるということを
糖質ゼロ食をして実際に健康に生活されている人がいるということを
糖質はまさに嗜好品です.
食べたい人だけが食べればいいものではありますが,
健康を害して患者となった時,私は医者としてそれを見過ごすわけにはいきません.
その事がきちんとわかってもらえるよう
私は自分の経験を語り続けたいと思います.
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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中毒者の中で
私は米所の新潟の出身で故郷はお米も水もおいしいのでお米が大好きです。(でもお酒は飲めません(^_^;))
仕事をするようになり東京に出てきたらお米のまずいことにびっくりしました。新潟に住んでいた頃は特においしいとは思わずにこれが当たり前だと思っていたので東京の米、水のまずさは堪えました。
今はこれが幸いして東京で食べるお米は私の中のお米とは別のものでまあこういうものもあるんだな・・・という感覚なのでこれを食べなくともなんともありません
閑話休題
糖質に軽い中毒性があるということは最近知りましたが、残念ながらこれは世間的に認知されていません。これは中毒性という言葉に人は拒否反応があるからではないかと思います。
糖質中毒というと自分は中毒なんかではない。炭水化物や糖質はきちんと活動するために必要なんだ。
という感じでしょうか?
おそろしいのは糖質中毒のドクターや栄養士が患者に対してアドバイスする図ですね。彼らは糖質や炭水化物を制限する方法は否定するでしょう。
またメディアなどのCMで糖質たっぷりのクリスマスケーキを取り囲んでの楽しいシーンとかが流されイメージが作られていきますね。
今も真面目に血糖値をコントロールしていますが自分自身の認識では糖尿病が・・・・・というよりも将来認知症になり
自分が自分でなくなるリスクを下げるという視点になっています。、もし血糖コントロールが良好のままで、認知症にならなければ糖尿病になって良かったということになります。
Re: 中毒者の中で
いつもコメントを頂き有難うございます。
> 糖質に軽い中毒性があるということは最近知りましたが、残念ながらこれは世間的に認知されていません。これは中毒性という言葉に人は拒否反応があるからではないかと思います。
それには私も同意します。
中毒は自覚症状が乏しいのが特徴です。中毒物質をやめない限り自分が中毒だということに気がつかないからです。
> もし血糖コントロールが良好のままで、認知症にならなければ糖尿病になって良かったということになります。
まさに「一病息災」ですね。健康な人よりよほど健康だと思います。
新薬
こんにちは(^o^)
新薬が出るみたいですが、効果ありますかね?
『糖尿病の新しいタイプの治療薬が来年1月、国内で初めて承認される見通しになった。
体内に過剰にたまった糖の尿からの排出を促し、体重増加を起こしにくいのが特徴で、同4月頃に保険適用される方向だ。
新薬は、アステラス製薬申請の「スーグラ錠」。厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の部会が先月、承認しても差し支えないとの意見をまとめた。腎臓には血液から尿に出た糖を、栄養分として再び取り込む働きがあるが、新薬はその働きを妨げて排出につなげる。成人は1日1回飲む。
従来の薬は、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きを強めたり、分泌量を増やしたりする効果があるが、糖が細胞に入って体重を増やしたり、血糖値を下げすぎたりする場合がある。新薬は糖を体外に出すので、血糖値の調節機能も保たれ、こうした問題は起きにくいという。他の複数の製薬会社も類似の薬の承認を申請している。』
Re: 新薬
御質問頂き有難うございます。
今話題のSGLT2阻害剤ですね。
選択肢が増えるのは良い事ですが、新薬は、これまでの歴史を振りかえっても、予期せぬトラブルが起こっている事も多いです。効果の程はまだよくわかりませんが、慎重に判断していきたいと思います。
ご飯はうまいです
私も糖質制限食してからやや2年たちます。
でもですね~
ご飯はいつも美味しいと感じます。
一週間に一日くらい、
朝食に米を食べることがありますが、特に今は新米で、炊きたてのツヤツヤのご飯はもうたまりません。
でも、涙をのんで茶碗半分でやめておきます。
クッキーやケーキなども、お付き合いで一かけらだけ、いただくことがありますが、あ~美味しいなあと感じます。
甘すぎとはあまり思いません。
体が慣れていってないのでしょうか?
今はただただ、理性だけが、糖質制限を続ける原動力です。
体が自然に適応していってる人たちはとても幸せでしょうねえ。
私は現在の体調のよさと、将来の疾病予防につながるだろうという確信のみで、続けています。
もし前頭葉になにかトラブルが起こったら、きっとすぐさま、糖質ありの普通食になってしまうでしょう。
いつの日か、糖質制限が、「我慢」ではなく、普通になってくれることを、願うばかりです。
Re: ご飯はうまいです
いつもコメントを頂き有難うございます。
糖質の余地を残せば残すほど、糖質への執着が取れにくいと私は考えています。タバコをやめるのに節煙がうまくいかないのと同じ理屈です。
どうしても嗜好性が残る場合は、糖質制限の程度を強めるというのは一案だと思います。
それでも嗜好が消えなければ、それは「作られた嗜好性」ではなく、本来の嗜好なのかもしれません。
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