自ら情報を取りに行く姿勢
2017/11/29 00:00:01 |
ふと思った事 |
コメント:6件
AGE測定器の妥当性について私は判断を保留にしました。
私の知識にも限界があるので、測定技術の難しい物理学的な原理だとか工学的な話をされても即座に判断する事はできません。
そんな私の知識不足をサポートするように機械を売る業者は、わかりやすく資料や文献で機械の妥当性を説明してくれますが、
私はわからない分野の真偽を考える時には、人から与えられた情報だけで判断するのではなく、
自分から取りに行った情報も加味して考えるようにしています。
なぜならば人から与えられた情報はこちらでコントロールする事ができないからです。 このように情報の非対称性がある事は、だまされることの温床となります。
AGE測定器の例で言えば、実は業者がサプリメント販促のためにAGEの値が高く出るように機械の設定を変えていたとしても、
その状況下でそのことを見破ることは至難の業です。
なぜならば向こう側が知っていて、こちらが知らないことが多すぎる、つまりは情報の非対称性が大きいからです。
それに対して自分から取りに行った情報に関しては、情報をコントロールする事ができます。
それは、AGE無料測定会やAGE関連の講演で情報を集めることではありません。
情報を取りに行くコツは、そのように主として原著とか元データとかに当たることだと思っています。
情報の源にアクセスすることによって、商品を販促したいとか、講演会で人を集めたいなどの第三者の作為の入る余地が少なくなりますし、
誰かの話ではなく、書籍などの文字情報にアクセスする事によって、
情報を咀嚼する事ができますし、必要な情報だけを集めて、自分の頭の中で統合していく作業も可能となるからです。
今まで考えてきたことの蓄積でできた自分の中の体系に沿う情報をピックアップしていく事で、対象となる未知の情報の信ぴょう性も高めていくこともできます。
そういう意味では、いかに今までにそういう姿勢で考え続けてきたかという事も大事となってきます。
人から言われたことからだけで情報を入手し続けていれば、自分の中で考えの体系がいつまでたっても出来上がらないからです。
例えば、私は最近ホメオパシーというものに興味を持ちました。
ホメオパシーは一般的にはニセ医学と評される意見がほとんどで、たがしゅうもぶっ飛んだ所に行っちゃったなと思われる人もいるかもしれませんが、
私の中ではホメオパシーに興味を持つのは必然的でした。
なぜならば、まずホメオパシーはまず自然治癒力に焦点を当てた治療であるという事があります。
自然治癒力と言えば、すでに私が学んできた漢方薬にも自然治癒力にアプローチする側面があります。
例えば、漢方は冷え症に対処する事ができます。漢方薬が物理的な熱を持っているわけではないですが、
ある種の漢方薬は人間の持つ温度産生システムに働きかけて、体温上昇作用をもたらすことが経験的に知られているのです。
これはまさに人間の持つ自然治癒力に漢方薬が働きかけている状況なわけですが、実はなぜ漢方薬によってそのような作用がもたらされるのかはまだ十分に解明されているとは言えないのです。
そんな中、メカニズムは不明だけれど自然治癒力に働きかけるというホメオパシーに出会います。
理由がわからないという点、自然治癒力に働きかけるという点で漢方とホメオパシーには共通点があり、まずは興味を誘います。
またホメオパシーで用いられるレメディという薬の材料は漢方と同じく自然界に存在する植物、動物、鉱物の一部です。複雑な構造を持つ物質から出発している点にも共通項がありますます興味を誘います。
さらには漢方では瞑眩(めんげん)と呼ばれる症状が一時的に悪化するけれどその後症状が良くなるという現象がある事が知られていますが、
ホメオパシーでは自然治癒力にアプローチしているはずなのに症状が悪化するというアグラベーションと呼ばれる現象がある事が知られています。
共通項がある一方で、このような全く逆の現象が存在するという事は、不明なメカニズム部分を考える上での糸口になるようにも私は感じています。
このように私が漢方を勉強していたからこそ、共通点と相違点に気付きホメオパシーに興味を持つことができました。
もしもその土台がなくてホメオパシーの話を聞いていれば、こうはならなかったことでしょう。
このように自ら情報を取得する行為を繰り返し、蓄積し自分の考えの体系を作り上げていく行為が、
未知の情報を判断する時の力を与えてくれる事につながることになると私は思います。
講演会に行くことが悪いとは言いません。すべてを疑ってかかれということでもありません。
ただ与えられる情報の中で、自分の考えの体系に合う情報か否かを取捨選択する作業を怠ってはいけないという事です。
というわけで私は、判断を保留したAGE測定器の是非については、
AGE測定器の原理について業者からではない別の情報源から学び、
必要に応じて物理学の教科書までひも解いてみようかと思っています。
それができるかどうかは別として、興味を持つ事には恐れずにチャレンジする事が大事だと思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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私の友人がベルギーにいるのですが、ベルギーではフラワーレメディを使った事がある人が多いみたいですよ。友人もちょっと体調が悪い時等に家族で使っているみたいです。とても良いそうで私も興味を持ちました。昔、私はアロマセラピーの仕事をしていたので、共通点があるかな?と思っています。
ホメオパシーと東洋医学
私がホメオパシーを始めたのは、西洋医学での咳喘息の治療に疑問を持ったからです。同じ県のホメオパシー医学会の帯津先生にホメオパシーでの治療をお願いした事がありましたが、帯津先生は癌が専門の外科医です、喘息はお力になれないとお断りされてしまいました。そこでご縁があったのがホメオパシー医学協会でした。医学協会での見解は、「腎臓が弱いからアンモニアを咳で吐き出している」という事でした。
糖質制限を取り入れている東洋医学の先生に診ていただいた事もあります。同じく「腎臓が弱くて疲れやすい、咳はアンモニアを吐き出しているんだよ」と言われました。西洋医学では咳を吐き出しているのは尿素窒素でしょうか。東洋医学やホメオパシーではアンモニアも尿素窒素も同じでしょうか。
一年以上前ですが、動悸が気になって糖質制限をやめた時期があり咳喘息が出ました。ホメオパシーのレメディーは効きませんでした。再度糖質制限と思い、アルギニンがアンモニアを解毒するというのを知っていたので、アルギニンを中心とした高タンパク食で、10日程で咳が止まってきました。プレドニン以上の効果です。糖質制限には自然治癒力もあるという事ですが、ステロイドの内服並みの即効性もあるのでしょうか。それとも高タンパク食が良かったのでしょうか。藤川先生のブログには自己免疫疾患が高タンパク食で良くなっていくお話しがありましたが…。
咳喘息は西洋医学では詳しい事が分かっていない、そして腎臓に問題があっもなかなか気づけない、採血で異常が出てくる頃には既に手遅れというのは西洋医学の弱点と思います。
どうして糖質制限でステロイドの内服が必要な咳喘息の咳が直ぐに止まるのか知りたいのです。でも漢方にしてもホメオパシーにしても自然治癒力を科学的に証明するのは不可能という事ですので、答えのない事を探し続けているのかも知れません。
長々とすみません。
Re: ホメオパシーと東洋医学
コメント頂き有難うございます。
ホメオパシーは知識を持った医師が扱うべき技術と思います。
レメディの選択もかなり専門的な技術を要するので、1回ではヒットしない事もおおいにありうると思います。
>「腎臓が弱いからアンモニアを咳で吐き出している」
これについては医学的な根拠がわかりません。
咳が身体の防御反応という事については同意できますが、アンモニアを吐き出しているかと言われたらそういうわけではないように思います。かたや本来防御反応であるはずのシステムが過剰適応(オーバーヒート)すれば病的な咳状態となりえます。その要因は腎機能低下だけではなく、ストレスに伴う自律神経機能低下など様々な事がありうると思います。
> 糖質制限には自然治癒力もあるという事ですが、ステロイドの内服並みの即効性もあるのでしょうか。
> どうして糖質制限でステロイドの内服が必要な咳喘息の咳が直ぐに止まるのか知りたいのです。
ステロイドホルモンの材料はコレステロールです。
糖質制限により相対的に高脂質、脂質代謝利用状態に傾けば内因性ステロイド産生が復活しアレルギー系の症状が改善するという可能性はあります。しかし一方で消化吸収障害があれば、摂取した高脂質をうまく利用する事ができないので必ずしも症状は改善しないかもしれません。
Re: タイトルなし
コメント頂き有難うございます。
フラワーレメディ、私も聞いた事はあり興味がありますが、まだ勉強中の身です。
何かわかればまた記事にしたいと思います。
No title
全ての物質はみな固有の波動を持ってます。
波動を持つから、共振、共鳴します。
だから、テレビの映像が受信できる、
ラジオ、携帯電話、無線LANなども受信できる。
グラスが音による共振で割れる。
地震の際、近隣のビル同士が共振し揺れる。
普段、波動の事なんて全く意識しないのに、
私たちは波動に満ちた生活をしています。
心身の不調にも波動が影響を与えない理由が分かりません。
心身の不調を植物や鉱物等…の波動で調整し自然治癒力を導く。
なんの不思議もないです。
ただ、怪しい情報と正しい情報が混在するので、
「自ら情報を取りに行く姿勢」は大切だと思います。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
私も波動は大事なポイントだと思っています。
波動医学なる分野も、知る人ぞ知るという感じであるようです。
一方でその中には詐欺的なマーケティングも混ざっているので、正しく情報を取捨選択していく必要があります。
ひとまずは作為の入りにくい物理学などの基礎学問から入るのが妥当だと私は考えています。
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