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男女はビシッと区切れない

category - ふと思った事
2017/ 11/ 15
                 
先日、当ブログで告知したホメオパシーオープンセミナーに参加して参りました。

鹿児島におけるホメオパシーの認知度やいかにと思っておりましたが、

会場は比較的こじんまりとしたセミナールームだったのですが、

最終的にはそのセミナールームが30名以上の方が参加され、部屋が参加者でいっぱいになり急遽椅子を追加するという場面も見られるほど盛況でした。

意外とホメオパシーに興味を持つ人はいるものなんだと思う一方で、その参加者の9割以上は女性である事に驚きました。

実は別の場所でホメオパシーのセミナーに参加した時も参加者のほとんどが女性でした。

単なる偶然の可能性もありますが、理由があるのだとすればなぜなのかについて私なりに考えてみました。

            

一般的には男性は理論的で、女性は感情的だと言われています。

ホメオパシーが効く理由は現代科学では解明されていないので、論理的に考える事が多い男性は受け入れられない人が多いのかもしれません。

しかし女性のすべてがホメオパシーを受け入れているわけではありませんし、

とあるアンケートによれば、一般集団におけるホメオパシーの認知度は0.4%だというデータもあります。

男性脳、女性脳という切り口で語るのはそもそも無理がある話なのかもしれません。

そんな事を考えていると、時々購入している日経サイエンスの2017年12月号に、

性とジェンダーの化学 男女の脳はどれほど違う?」というテーマで特集が組まれていたので読んでみました。



日経サイエンス 2017年12月号 雑誌 – 2017/10/25

『男女の脳はどれほど違う?』
L. デンワース(サイエンスライター)



(p58より一部引用)

2009年、テルアビブ大学(イスラエル)の神経科学者ジョエル(Daphna Joel)は学生にジェンダーの心理学を教えることに決めた。

彼女はフェミニストとして性別とジェンダーの問題にかねて関心を抱いていたが、

科学者としての研究は主に強迫行為の背景にある神経活動に関するものだった。

そこで開講に備え、脳の性差に関する膨大な科学文献を1年かけて精読した。

ラットの特定の脳領域の大きさの違いから、人間の男性が攻撃的で女性は感情移入しやすい理由と思われる差異まで、

あらゆる違いをカバーした数百篇の論文だ。

当初、ジョエルは一般によくあるのと同じ想定を抱いた。

性別がほぼ常に異なる2種類の生殖器系を生むように、

脳にも2つの異なる形態が生じるのだろう。女性脳と男性脳だ。

しかし文献を読み進めるうちに、この考えに反する論文に行き当たった。

ラトガーズ大学のショーズ(Tracey Shors)らが2001年に発表した論文で、

ラットの脳にある細部構造、樹状突起棘(スパイン)に関する内容だった。

突起棘は脳細胞から突き出た小さなこぶで、電気信号の伝達を調節している。

ショーズらはラットのエストロゲン(女性ホルモン)を高めると雌のラットでは雄よりも樹状突起棘が多くなる事を示していた。

また、尻尾に電気ショックを与えて強いストレスにさらすと、雌とオスで脳が反対の反応を示すことを見いだした。雄では突起棘が増え、雌では少なくなる。

この予想外の発見をもとに、ジョエルは脳の性差に関する1つの仮説を提唱し、

すでに議論が白熱していたこの分野に新たな議論を巻き起こした。

脳の各領域に男女差があると考えるのではなく、人間の脳は様々な男性的特徴と女性的特徴の寄せ集めでできた"モザイク"であり、

ときにはそのモザイクが変化しうるべきだと唱えた。

この可変性そのものと、男女の行動で異なる部分があること(攻撃的な女性や感情移入の強い男性、さらには両方を示す男女がいる)が、

人間の脳を明確な2つの類型にまとめられないことを示している。

(引用、ここまで)



要するに脳の男性的特徴、女性的特徴というものは存在したとしても、

個人の脳全体としては可塑性があり、様々な環境因子によっていくらでも変化しうるというわけです。

考えてみれば世の中には男性的な女性、女性的な男性、トランスジェンダー、様々な人がいます。

明らかに男っぽいという人であっても女性的特徴を現す脳の領域は存在しているわけです。

女性の中でも全員が全員女性的特徴を示す脳の領域すべてが働いているというわけでもないでしょう。

女性の方がホメオパシーのような理論が解明されていないものへ興味を示す集団的傾向があるということは言えそうですが、

脳のどの領域が活性化してそのような傾向を示すのかという事に関してはっきりとしたことはわかりません。

けれどその領域が女性で活性化されやすいものの、男性でも活性化される事はあるということであり、

ホメオパシーに興味を持った私は、その領域が活性化される数少ない男性の一人ということなのかもしれません。

そして、もしかしたら女性で活性化されやすい領域の中には、

大切なものを直観的に見抜く能力が含まれているのかもしれません。


ちなみにネット上で男性脳、女性脳で検索してみますと、

自分の脳が男性脳と女性脳それぞれどのくらいの割合なのかを簡単なアンケートに答えて推定するゲームのようなものがありました。

遊び半分で私がトライしてみると、男性脳63%、女性脳37%という結果でした。

男らしい脳ともとれるし、女性の性質を兼ね備えた男性と捉えることもできるので微妙な結果でしたが、

もし女性らしさが私に備わっているのだとすれば、生命の本質的に大変光栄なことではあります。


たがしゅう
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コメント

非公開コメント
        

男性も女性も女性脳と男性脳が備わってるんですね。
ホオメパシーも不思議です。
No title
いつも興味深い記事をありがとうございます。

「簡単なアンケートに答えて推定するゲームのようなもの」に、
私も遊び半分でトライしてみました。

私は、「男脳度数:55%/女脳度数:45%」と、中性的な結果でした。
遊び半分ですが、それなりに嬉しい気分です。

つい最近、「性」に関するドイツのニュースがありましたね。
「ドイツの連邦憲法裁判所は8日、議会に対して、生まれながらの「第3の性」を認める法改正を2018年末までに行うよう命じた。」

真面目でお堅いイメージのあるドイツですが、
医学的にも柔軟性のある対応に流石だなと思いました。
Re: No title
Etsuko さん

 コメント頂き有難うございます。

 ドイツもホメオパシーに関しては大分先を進んでいます。
 というよりも日本が極端な後進国と言った方が適切かもしれません。
 科学を推進するにしても、是非とも柔軟な発想を持って進めていってもらいたいものです。
性別ではなくて、性グラデーション
こんばんは。
ホメオパシーはよく知りませんが、
性別は男性と女性の間に、グラデーションのようにたくさんあるらしいです。


ミスチルの 「GIFT」です。

 一番きれいな色ってなんだろう?
 一番ひかってるものってなんだろう?

 「白か黒で答えろ」ていう難題を突きつけられ
 ぶち当たった壁の前で
 僕らはまた迷っている
 迷ってるけど

 白と黒のその間に
 無限の色が広がってる
 君に似合う色を探して名前をつけたなら
 ほら 一番きれいな色

性差も個体差も超えて、
人間の多様性を肯定している深い名曲だと思います。
(人文学の話で、医学ではこんなふうには考えないかもしれませんが)



Re: 性別ではなくて、性グラデーション
エリス さん

 コメント頂き有難うございます。

>  白と黒のその間に
>  無限の色が広がってる


 詩的な表現ですが、確かに本質を捉えているように思います。
 「白黒はっきりつける」という二元論に私達は慣らされてしまっている所があるのかもしれません。
 人為的に生じてしまった思考のバイアスは、やはり人為でもって軌道修正し、バランスをとっていくべきだと私は思います。
はじめまして
はじめまして。2年半程前に江部先生のブログを拝読しながら糖質制限とホメオパシーを同時に始めたNMと申します。

私の場合、糖質制限で咳喘息が出なくなり、ホメオパシーの自己治癒力で子宮筋腫が消えてなくなりました。糖質制限で子宮筋腫が消えてなくなるという事はないですよね。ホメオパシーの自己治癒力も素晴らしいと思います。ホメオパシーを勉強されているお医者さんがいらっしゃる事嬉しく思いコメントさせていただきました。

たがしゅう先生のブログも拝読させていただきます。宜しくお願いいたします。
Re: はじめまして
NM さん

 コメント頂き有難うございます。

 糖質制限、ホメオパシーを組み合わせて病気のコントロール、よかったですね。

 糖質制限も自己治癒力を高めるというか、スタートラインに戻そうとする働きがありますが、
 ストレスなど何らかの理由で病態がこじれてしまった人には糖質制限だけでは元に戻り切らないケースが多々あります。
 そういう場合にホメオパシーは一つの選択肢になると私は考えています。

 逆に言えば、ホメオパシーは健康な人が病気予防などの目的で気軽に手を出すべきではない治療だと思います。
No title
たがしゅう先生こんばんは。少し前の記事へのコメント失礼させていただきます。

先日,香りや臭覚の勉強をしてきました。

男性は狩向きで視覚が発達しています。女性は子供を育てる為に聴覚、嗅覚が発達しています。

感情や記憶を司る大脳辺縁系に直接繋がる嗅球や嗅神経は、男性より女性の方が40%程多い、だから女性は目に見えない直感力や感受性が発達し、感情で動きます。男性は目で見たものしか信じません。香りで記憶が呼び起こされる事もあるそうです。

別のお話で
フロイト(外向型)
アドラー(内向型)

西洋医学(外向型)
東洋医学(内向型)

外向型の男性的な女性、内向型の女性的な男性もいらっしゃると思います。たがしゅう先生はアドラーや漢方がお好きです。女性的な内向型を兼ね備えた、ベースは外向き思考で幸せを得られる男性と思います。人の心や見えないものを感じ取る能力をお持ちです。

たがしゅう先生の、医師として見えないものを感じ取り、分析する能力は素晴らしいと思います。

レメディーを摂取すると、一体となっている体も心も、その人本来の姿に戻そうと仕向けられますので、感情の揺さぶりが起きます。その感情を乗り越えながら、病気が治っていく感じです。糖質制限を取り入れながら、感情と向き合っている為かもしれません。

ご自身の持っている力を取り戻していけると良いのですが、心の在り方に問題があると、良くない思考パターンを繰り返し、また病気になってしまいます。

ストレスが病気を作り出している場合、病気を治す為には、過去を振り返り、嫌な経験から蓋をしてしまった感情と向き合う事が必要です。ありのままの自分を知り、生き方、考え方を見直すことが必要です。3才の頃に環境などの影響により、性格などが形成されてしまう様に思いますが、いったんそこに戻ることも必要かもしれません。作り出してしまった病気にも感謝することも必要なのかもしれませんね。
Re: No title
NM さん

コメント頂き有難うございます。
非常に興味深いご指摘です。

内向的な女性の性質があるからこそ、私はアドラー心理学や漢方薬など内面に働きかけるアプローチに興味を持っているのかもしれませんね。大変参考になります。