5日間断食で感じた由無し事

2017/10/30 00:00:01 | 断食レポート | コメント:6件

先日予告した5日間の断食実験、無事に終えることができました。

私の性格には採血スケジュールを決めて取り組むという作戦はどうやら向いていたみたいです。

今回は断食に取り組む前に、チートデイの概念を若干取り入れました。

チートデイというのは、ダイエット期間中に体重が停滞する時期、異化・同化の代謝のバランスが平衡状態となっている状態の時に、

あえて思いっきり食べて代謝の方向を同化に向けてから再びダイエットに取り組むことで停滞期を乗り切る方法、その期間のことをいいます。

糖質制限で言えば、ケトン体代謝で適応し少ない脂質で効率的にエネルギーを生み出すことができるようになったために、

いくら運動しても糖質を制限しようとも体重が全く減っていかない安定状態に対して、

あえて糖質を積極的摂取することで一旦糖代謝中心の生活に戻し、再び断食で脂質代謝に急ハンドルを切ることで平衡状態を打破するという試みになります。 普段代謝の急ハンドルを切ることは推奨していない私ですが、

今回は実験対象が自分だということと、そして自分自身、そのような急な代謝変化を起こすと何が起こるのかということについて大変興味があったので、

今回は断食開始の前日、焼肉食べ放題でデザートも頼む形でお腹いっぱい食べてから取り組むことにしました。

本日はその5日間の断食で得られた気づきについて、記憶の新しいうちに思いつく余り書き記しておきたいと思います。


5日間の体重変化については次のとおりでした。
1日目 105.0kg→2日目 101.0kg→3日目 99.6kg
→4日目 98.9kg→5日目 97.2kg→断食解除再摂食後99.1kg


とりわけ目につくのは最初と最後の体重変化です。

いつもやっているはずの24時間断食でなんと4kgもの体重が一気に減っています。

おそらくこれは水分が一気に抜けたためと考えられます。糖代謝から脂質代謝に一気に振り切るとここまで変化があるのかと驚きました。

ただその1-2日目の間には体調不良は一切ありませんでした。その後は1日約1kgのペースで体重減少していきます。

私は普段からケトン体代謝に慣らしているので、急ハンドルを切ってもすぐに元のペースで代謝は進んでいるものと思われますが、

これが普段から糖代謝を酷使している人が同じ急な断食を行うと、ケトン体代謝がすぐには利用できず急激なエネルギー不足に陥ります。おそらくこれが断食での失敗例ではないかと私は考えています。

2日目の夕方にはコロンとした便が出ましたが、それ以降断食終了するまでは便は一切出ていません。

断食に取り組むといつも思いますが、出てくる便はほぼ例外なくコロンとした形の良い理想的な便になります。

さて辛いのは2日目の夜です。この辺りはかなり空腹感が頭から離れなくなる状態です。しかし3日目には採血のスケジュールを組んでいます。

「今私が食べれば、貴重な採血データがとれなくなる。難しいことではない。ただ寝るだけの話だ。」

そんなことが頭の中をグルグル周りながらも、何とか無理矢理眠りについた、という感じでした。

3日目朝に無事採血を終えて、その日はおそらく軽いアシドーシスが身体を襲っていたためでしょう。

何となく身体はだるい、でも頭は冴えているという状態におかれました。この辺から息を吐く毎にケトン臭というかケトン体が出ている感覚が何となくわかります。

また一時的に手先が冷える感覚もありました。これは私が初めて糖質制限を行った時にも感じられたことでした。

3-4日目の時期は空腹感はないのですが、身体のだるさがピークを迎えます。

そして座った状態から立ち上がると頭の血が引いて一瞬目の前が暗くなるような立ちくらみの状態に時々襲われるようになりました。

ちょっとそろそろヤバイかなと思いながらも、不思議とその立ちくらみ状態から復帰する数秒間は何となく気持ちがいい感じがしたのもまた事実でした。

4日目の夜はいつも通っているジムへ行きました。

立ちくらみもある状態で若干心配でしたが、この状態で運動するとどうなるかの確認のため身体を張りました。

勿論、やばければ途中で帰るつもりでいましたし、運動自体も軽めのサイクルで行うように配慮していました。

ただいつも参加しているZUNBAというスタジオプログラムは単純に楽しくて行きたかったので、

軽めの運動で問題なかったことを確認の上、ZUMBAにはいつも通り参加することにしました。

ZUMBAとはラテン系の音楽に合わせてリズムに乗って踊るダンスエクササイズで、一旦始まると途中で抜けるのが難しい盛り上がり空間になります。

どうなることかと思いましたが、結果的には失神や前失神を起こすことなく無事に踊り終えることができました。

そして5日目念願の最終採血を終え、心は穏やかでした。

なぜかその日の診察は大量の患者さんが押し寄せててんやわんやでしたが、

焦らず落ち着いてこなすことができたように思います。

この時期の断食の心境は以前にも経験がありますが、大袈裟に言えば悟りを開いたような心持になります。

美しいものを素直に美しいと思える研ぎ澄まされた感覚ですね。雑念が取り払われた状態とでも言いましょうか。なかなか言葉では説明しにくい経験者にしかわからない領域と思います。

断食から約115時間後、夜7時に久しぶりの夕食はお店のレストランで味わう事にしました。

これも糖質制限を意識しない普通の料理です。パスタ、生ハム、あさりのスープ、ローストビーフ、トマトとアボカドのサラダ、デザートのアイスなど普通に食事を楽しみました。

やや上品なお店だったので量が少なかったためか、食べた後ちょっと小腹が空いたので夜10時にくら寿司に寄って、話題の糖質オフメニューを食べることにしました。

「これは寿司風の寿司じゃないものだな」と想いながら、いつもの調子でどんどん注文しながら食べていると突然異変がありました。

空腹感から考えると当然食べられるだろうと思った量を注文した後、急激に満腹感が襲ってきました。

これがいわゆる胃が小さくなった感じというやつでしょうか。いつもなら当然食べられるはずの量に急激に身体からの強制ストップがかかりました。

しかしすでに注文したメニューが続々と届いてくるので、満腹の状態でしたが残すのも勿体ないので何とかお腹に入れ込んで店を後にしました。

23時前に自宅に帰宅したら便意を催し、トイレに駆け込みました。

流石に3-4時間前に食べたものがもう便塊になっているとは考えにくいので、これは断食中にずっと腸管内に残っていた便塊、いわゆる「宿便」と呼ばれているものだと思いました。

その便塊が何ともキレイな団子状の便で、誤解を恐れずに言えばちょっと見惚れるほどで、こねにこねられた便塊であるようでした。

それでは19-22時に食べたものの便塊はどうなるのだろうと思い、その後も絶食を続けて様子をみましたが、

再摂食後から21時間30分後の6日目の夕方4時30分にバナナのような綺麗な形で通常量の排便を確認しました。

以上が今回の断食中に私が感じた由無し事です。

注目のデータは結果が全て出揃い次第公開しますのでお楽しみに。


それと余談ですが、断食期間中はゴミの量がぐんと減りました。

週に2回の燃えるゴミの日のゴミ出しを一回飛ばしても問題ないくらい少ないゴミの量でした。

普段の生活ゴミの中で食事関連のものがいかに多いかということを、

改めて考えさせられた次第です。


たがしゅう
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コメント

2017/10/30(月) 06:51:26 | URL | T #-
断食完了おめでとうございます🎊すごいことだと心から思います。データ拝見楽しみにお待ちしております。12月の会、初参加ではないので、ずっと待機しておりましたが、ぜひ参加申し込みしたいです。

Re: タイトルなし

2017/10/30(月) 12:59:09 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
T さん

 コメント頂き有難うございます。

 11月に入れば、初参加でない方も広く募集しますので、今しばらくお待ち下さい。

No title

2017/10/30(月) 18:45:00 | URL | Etsuko #-
いつも興味深い記事をありがとうございます。

断食、大変お疲れ様でした。

「雑念が取り払われた状態とでも言いましょうか。なかなか言葉では説明しにくい経験者にしかわからない領域と思います。」

これは、変性意識の状態なのでしょうか。
ケトン体が導く意識なのでしょうか?
神秘的で興味をそそります。

断食による体重減少、
それに加え腸内がリフレッシュすると言うおまけ付き。
ついでに、ゴミも減る。良い事づくめですね。

後日のデータ公開が楽しみです。

たがしゅう先生が先日紹介されていた夏井睦先生の著書、
「炭水化物は人類を滅ぼす【最終解答編】」を拝読しました。

夏井先生の幅広い知識を詰め込んだ、贅沢な内容でした。
読書中、「壮大な思考の旅」が出来ました。

糖質過多な食は、人工増加を阻止するリミッターなのかな。
数々のリミッターを外してきたヒトは(糖質制限によって)、
またもやリミッターを外そうとしているのだと思いました。

「2:6:2」の初めの2割、冒険遺伝子を持つ人間として、
糖質制限を続けたいと思います。

Re: No title

2017/10/30(月) 20:06:26 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
Etsuko さん

 コメント頂き有難うございます。

 断食によって引き起こされる身体変化から、
 ケトン体代謝の幅広い潜在能力をうかがい知ることができますが、
 正直言ってまだまだわからない事だらけです。

 糖質制限だけでドーパミンが支配する欲望のままに動けば、やがて人類が滅亡する姿は目に見えますが、
 そこに断食や全体愛の考えが取り入れられれば、かすかに望みは残されているかもしれません。

No title

2017/10/31(火) 06:25:10 | URL | 花鳥風月 #Jrd7vdWA
無事に断食が終了したとのこと、安心いたしました。
5日で約5kg減に驚きました。

Re: No title

2017/10/31(火) 07:46:26 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
花鳥風月 さん

 コメント頂き有難うございます。

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