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無目的に大きくなる脳の扱い方

category - ふと思った事
2017/ 10/ 25
                 
夏井先生の書かれた「炭水化物は人類を滅ぼす【最終解答編】」を読んでいて、

ヒトの脳は、何か新しいことをするために大きくなったわけではない。目的もなしに勝手に大きくなっただけなのだ」という仮説を様々な状況証拠を元に説明する下りがありました。

普通は脳が大きくなったおかげでヒトは様々な機能を獲得したと考えがちですが、

そういう固定観念に夏井先生のアプローチは新たな気づきを与えてくれてハッとさせられます。

そう言われてみれば、結構私達は無目的に大きくなろうとしている側面は多いように思えます。

例えば自分自身のこれまでの行動を振り返ってみると思い当たる節があります。
            

糖質制限を知る前の私は、総合診療医を目指して、様々な科を周り、

一時期総合診療科を目指していた時期もありますが、周りの先生のあまりの優秀さに圧倒され挫折し、

悩んだ末に全身を見る事につながる神経内科医の道に進む事を決めました。

こうして見ると私の医師人生は明確な目的を持って合理的に進められているように見えるかもしれません。

ただその実情は、とりあえず定めた生活環境の中で、様々な環境因子に左右されながら無目的な行動を繰り返しているように過ぎなかったような気がします。

神経内科学を一つ一つ系統だって勉強しているというよりは、

目の前の患者さんを診ながら、それに関連する知識を付け焼刃的に学び、その経験を繰り返す日々の連続です。

専門医試験のための受験勉強の際に系統だった勉強をするのかと言われれば、それも系統だった勉強というよりは専門書や問題集の情報を手当たり次第当たっていく作業の連続であって、

辺り構わず周囲の街を破壊していくモンスターと本質的には同じような行動を取ってしまっていたような気がします。

それは糖質制限をするようになって以降も本質的には変わっていなくて、

近くで漢方の勉強会があると言えば飛びつくし、獣医学会があると聞けば参加するし、

糖質制限の集まりが開かれると聞けば、遠方でも喜々として参加している自分がいます。

決して今漢方の知識が足りないから漢方の勉強会に行くとか、そういう合理的な発想で動いているのではありません。

端的に言えば、常に「行きあたりばったりの連続」なのです。


ただ糖質制限実践前と後で違いがあるとすれば、

実践前は「与えられた環境の中で行きあたりばったり」だったのに対し、

実践後は「行きたいから行った環境の中で行きあたりばったり」という所だと思います。

糖質制限を行うことで私の中で眠っていた冒険家遺伝子がオンになったのかもしれません。

無目的に大きくなるという脳の本質からは逃れられてはいませんが、

少なくとも環境に与えられるがままに大きくなるだけの人生からは逃れるきっかけを得ました。

私の中のモンスターが変えられないのであれば、モンスターが過ごす環境を変えればいい。

それがモンスターの暴走を食い止めるために私達が加える事ができる人為というものだと思います。

それを実証するために私が鹿児島へ生活環境を変えたことは一種のトライアルだと考えます。

この環境変化により今後私がどのように変わっていくでしょうか。


人類も今や穀物の甘い罠に操られ、無目的に人口を増やし続けています。

相手は巨大ですが、きっと本質は同じところにあるのではないでしょうか。

モンスターの暴走を食い止めるためには、人為的に環境を変える事が鍵を握っていると私は思います。


たがしゅう

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コメント

非公開コメント
        

モンスターの行動が読めずに、
糖質をみると、食べたくなる自分がいます。やめられないです。
先生はいろいろ勉強されててすごいです。
Re: タイトルなし
瀬川里香 さん

 コメント頂き有難うございます。

 脳というモンスターが変えられないのなら、モンスターが住む環境を変えることです。
 糖質を見なくて済む環境、見たとしても食べない方が得をする環境、自分なりの試行錯誤が必要だと思います。