手放さなければ止められない
2017/10/19 00:00:01 |
ふと思った事 |
コメント:7件
鹿児島に来てから、冷蔵庫不使用作戦、
眼鏡不使用作戦、大きなカバン不使用作戦の3つの作戦を決行してきましたが、
半年が経過して現在まで続いているのは、大きなカバン不使用作戦のみです。実は他の二つの不使用作戦は止めてしまいました。
なぜ大きなカバン不使用作戦だけ継続しているかと言うと、大きなカバンを購入していないからです。
なぜ冷蔵庫不使用作戦、眼鏡不使用作戦を中止してしまったかと言うと、そこに冷蔵庫と眼鏡があるからです。
私という人間はつくづく環境に左右される生き物だという事を感じさせられます。 けれど似たような出来事は私だけでなく多くの人に認められるのではないでしょうか。
「炭水化物を止められない理由は何か、そこに炭水化物があるからだ」
以前紹介したこちらの本にも脳に入る情報に左右されて私達ヒトは動かされているという事が書かれていましたが、
糖質制限指導をしてもやってくれないという患者さんを見て残念に思う私ですが、
患者さんが自らの意思で炭水化物を買わないという生活環境に持って行かない限りそれは困難極まることであって、
現状の炭水化物が普通にある生活環境のまま炭水化物を摂らないという行動を取るのは、
私が冷蔵庫と眼鏡を残したままそれらを不使用で過ごすということと同じくらい難しく、
それでも無理に糖質制限指導をするということは、私が「冷蔵庫と眼鏡を捨てなさい」と言われる時の苦痛と、
同じ苦痛を患者さんに強いてしまっていたのかもしれません。
特に一人暮らしであればまだしも、家族が一緒ともなると生活環境をガラッと変える事は困難なことでしょう。
そこにある便利な快適物質を、そこにあるにも関わらず使うなというのは、
脳の習性に反した無理難題を押し付ける行為であり、ある意味生物の法則に反しているようにも思います。
だから炭水化物が不要だと自ら納得することができた人でないと、
自分から炭水化物を放棄できる人でないと、糖質制限指導をしてはいけないという事になるのかもしれません。
それを無視して糖質制限指導し続けることは、生物の欲求に反し続ける行為でありストレスが蓄積されて然るべき状況です。
糖質制限+ストレスマネジメントが必要な状況はこうして生み出されているのでしょうか。
逆に言えば、炭水化物のない(自ら炭水化物を置かない)生活環境を作ることができれば糖質制限は実践できるという事になると思いますが、
そのために当事者に糖質制限のメリットを説明する以外の良い方法を思いつきません。
いと恐ろしき脳のクセ、です。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
No title
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
> やはり糖質制限食も飽きてしまうんです。肉、魚、野菜、海草、チーズ、ナッツの繰り返しがきつくなってきました。
> すべて塩味というか。たがしゅう先生はそのようなことはないんでしょうね。
飽きるという感じには私はあまりならないです。
もともと味にはそれほどこだわらないタイプだからでしょうか。
No title
「炭水化物が不要だと自ら納得することができた人」は、
自ら進んで、糖質制限を理解しようとする人。
「自ら進んで・・・」が大切ですよね。
イソップ寓話の「北風と太陽」を思い出します。
その人に合った適切な手段さえ分かれば、
自ら進んで、行動してくれるのでしょう。
夏井先生の著書「炭水化物が人類を滅ぼす」と出会ったことが、
私にとって「最適な手段」だったのだと思います。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
御指摘の通りだと思います。
糖質制限は自分の頭で考えて行わないと実行・継続できません。
世の中は糖質だらけの環境だからです。
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ココアさんと、同感
Re: ココアさんと、同感
コメント頂き有難うございます。
マイナスの発想で身体をコントロールするのが理想ですが、
それができない場合は必要最小限の対症療法を行うプラスの発想で現状維持を試みるのは一つの方法だと思います。
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