2017年10月糖質制限医療推進協会東京講演会感想

2017/10/10 00:00:01 | イベント参加 | コメント:0件

週末は日本糖質制限医療推進協会の東京講演会に参加して参りました。

今までにも同会主催のイベントには2013年7月の発足以来の幾度か参加していますが、

今回は理事長の江部先生の講演に加え、産婦人科医の宗田先生、世界的眼科外科医の深作先生のトリプル講演会でした。

江部先生と宗田先生の講演は過去にも拝聴したことがあり、内容はだいたい把握していたつもりですが、

両先生とも最新の情報を取り込んで講演内容をさらに進化させておられ、一聴講者としてもプレゼンテーターとしても大変参考になりました。

深作先生の話は今回初めて伺いましたが、

眼科領域の実に幅広い数の病気に糖尿病が関わり、それらに全て糖質制限が有効だということを眼科医の立場から御発表なさいました。 改めて糖質頻回過剰摂取の影響は全身に及ぶということを思い知らされましたし、

糖質制限を扱う医師としては総合診療医的スタンスが欠かせないということを確認した次第です。

深作先生の手術中の動画が見られたことも印象的でしたし、

最後には御自身で描かれた美術作品を提示され、いずれも卓越した技術で圧倒されました。

そういう先生に糖質制限へ興味を示してもらえて心強い限りです。


そして三人の先生方の講演が終わったら質疑応答のコーナーでしたが、

これも協会講演会あるあるですが、参加者から質問がひっきりなしに飛んでくる活発な討論の時間となりました。

中でも糖尿病性網膜症に関して、急に血糖を下げると網膜症悪化の恐れありと古くからこの領域で言われている懸念に対して、

スーパー糖質制限食で1,2ヶ月の間にHbA1cが9.0→6.0%になるくらいのスピードで改善するのは網膜症に対してどうかという質問が上がりましたが、

糖質制限の場合、急速に下がるのは下がるが、血糖値の乱高下を来さずに下がるので血管内皮細胞を傷つける酸化ストレスリスクが極小になるので、

血流の悪化が増悪因子となる網膜症に対して糖質制限自体が悪さをすることはないと明確な御回答がありました。

また江部先生の高雄病院の2000例以上の糖質制限指導患者さんで一例も網膜症悪化が出ていないという補足情報も質問者の方には安心材料となったのではないかと思います。

私も質問しようかと思いましたが、あまりの白熱具合に遠慮してしまいました。

というのは私がしたい質問はちょっと医学的に専門性が高い内容だったので、

一般向け講演会で投げかけるには聞いている他の参加者の皆さんを置き去りにしてしまう可能性があると思ったからです。

質問が途切れたら質問してみようかと思いましたが、結局質問が途切れることはありませんでした。

私がいかに「嫌われる勇気」を大事にするとは言え、自分がしたい質問を辺り構わず質問して自分さえよければいいというのは違うと私は考えています。

あくまでも他者貢献ありきの「嫌われる勇気」だと思っています。

それとこういう質問が殺到する場面では、ごちゃごちゃ前置きせずにシンプルに質問する力も大切になると思いますが、

質問者の中で中学生の子が「ゲームをし過ぎると目に良くないというのは本当ですか?」という直球な質問をしていたのにはハッとさせられました。

大人になると色々御託を並べてしゃべってしまう所があるのかもしれませんね。

シンプルに質問するということの良い例として勉強になりました。

ちなみにそれに対する深作先生の御回答は、「ゲームをやる時は時間を決めて、やり過ぎないように」との事でした。


ともあれ講演内容以外にも収穫のある充実の時間でした。

実は今回参加してみて本筋じゃないところで感じたことがもう一つあるのですが、

長くなるのでそちらは明日の話題と致します。


たがしゅう
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