Post

        

「ホメオパシー」について学ぶ

category - お勉強
2017/ 09/ 27
                 
本日のテーマはホメオパシーです。

ホメオパシーとは「類似が類似を治す」という発想の下、

植物や動物、鉱物、あるいは健康人の組織や分泌物、病人の病理産物などを利用し、

その成分を分子がなくなるレベルまで希釈、振盪を繰り返したものを砂糖丸で固めたレメディと呼ばれる薬を使って、

様々なタイプの症状を改善させるという医療のことです。同種療法とも呼ばれます。

発想としては例えば発熱に対して解熱薬を用いるのではなく、逆に温めて自然治癒力を促進させるという漢方に近い発想です。
            

解熱薬を用いる西洋医学のアプローチは「反対が反対を治す」という発想のアプローチなので、ホメオパシーに対してアロパシー(異種療法)と呼ばれています。


さて、類似が類似を治すという発想の起源は医聖ヒポクラテスの言葉にあるそうですが、

この発想を治療法としてはじめて体系化したのは、18世紀のドイツ人医師、ザムエル・ハーネマンです。

ハーネマンは当時、難治性寄生虫感染症マラリアの治療薬としてキナという植物の樹皮が使われていた事実に注目し、

はたして健康人がキナの樹皮を服用するとどうなるのかという事を自分の身体で実験してみたところ、

マラリアと同じような症状が出現し、その後症状が消失するという実体験を得ました。この時にハーネマンは「類似が類似を治す」という発想に着眼したようです。

普通にキナ皮を服用すると激烈な症状が出てしまうということで、そこからハーネマンは希釈するという方法を考えます。

キナ皮から抽出した原液を100倍希釈し、さらにそれを振盪してなじませて飲んだ所、それでもまだ激烈な症状が出てしまう。それならば副作用軽減のためにさらに薄めようということで希釈作業を繰り返します。

このように100倍希釈し振盪するという作業を繰り返していくことを「段階的希釈」といいますが、

ハーネマンの実験ではこの段階的希釈を最終的に30回行っても治療効果があったということが実証されたとのことです。

この治療効果を持つ限界まで希釈した液体を砂糖玉に精製したものが「レメディ」と呼ばれるホメオパシーで用いられる薬の原型です。

キナ皮以外ではどうなのかという事で様々な植物、動物、鉱物で同様にレメディが作成され、

経験的にこのレメディがこの症状に効くという知識が200~300年の年月をかけて蓄積されてきた、それが現在のホメオパシー医学というものだということです。

しかし、30回段階的希釈ということは、元の成分が10の60乗分の1というとてつもなく薄いところまで希釈されたという事になりますので、

もはや有効成分など分子レベルで残っていないわけで、科学的思考を学んだ医師達はホメオパシーはただのプラセボ効果だと評する人がほとんどで、ニセ医学などと揶揄されることも多いのが実情です。

しかし実際にホメオパシーに携わり、その驚くような劇的な改善を目の当たりにしたことがある医師は、

それがただのプラセボ効果だという安易な結論に納得することができず、ホメオパシーの効果を信じる少数派医師達に脈々と受け継がれてきた歴史があります。

実は現在でも70か国以上の国々でホメオパシーは医療として用いられており、

日本では異端視されていますが、イギリスやキューバを始め保険適応として認められている国も少なくありません。

そして調べてみればわかりますが、ホメオパシーに関する医学論文は今でも結構たくさん書かれています。

科学的根拠を重視する医師を説得できるようRCTも組まれたりしていますが、これには肯定的な結果と否定的な結果とが混在しています。

しかしこれは糖質制限スタチンを巡る論文の結論変動性と同じような構造があり、この話だけでは結局否定も肯定もできません。

しかしホメオパシーを勉強し始めて、これは単なるプラセボ効果ではないと感じる一つの大きな根拠があります。

それは「動物にもホメオパシーが効く」という事実があることです。

ホメオパシーを学ぶ人の中には獣医師の方もおられるのですが、動物に有効成分がないはずのレメディを飲ませて症状が劇的に良くなるという事実が観測されているわけなので、

複雑な心理状況が薬の効き方に影響しうるヒトで初めて観測されるプラセボ効果ですべてを説明しようとするのは無理があるのではないかと思います。

ということは、有効成分がないはずのレメディが効く理由は、単にまだ現代の科学で解明されていないメカニズムが存在している可能性が否定できないと思います。

例えば分子は残っていなくとも、素粒子やクオークレベルで振動エネルギーが残存していて、その固有エネルギーがヒトの自然治癒力に働きかけるという可能性です。

レメディの使用期限は一応2年くらいまでとされてはいるものの、不思議なことに遥か昔に作ったレメディを飲んでも臨床効果が出るという事実も観測されているそうです。

そういう話を聞いていると、まだまだ分かっていないことは多いのだということを感じさせられます。

もっと言えばこのホメオパシーのわかっていないメカニズムが、漢方薬の効き方のわからない側面を埋め合わせることができるのではないかとも私は考えています。

百歩譲って、動物へのホメオパシー効果もプラセボというかたまたま自然治癒のタイミングと重なっただけだと解釈したとしても、

実際にホメオパシーを習得された先生の話を聞いてみれば、非常にリアルで真実味のあふれた内容であることがわかります。これが単なる嘘や勘違いには私には到底思えません。


私は日本ホメオパシー医学会という学会が主催する勉強会に今回参加したわけですが、

これは2000年に設立されたばかりのまだ歴史の浅い学会です。

何せ日本でホメオパシーを学ぼうと思ったらまともには学べないわけなので、

設立者の先生方はわざわざイギリスに留学したりして、苦労して学び、異端視されながらもそれでも広める価値があるという信念に基づいて活動されてきた方々です。

これがすべて嘘だというなら見事にだまされたというより他にありません。

ちなみに紛らわしいことに日本ホメオパシー医学協会という団体もあって、

こちらは医師主体ではなく、いわばホメオパシーを学んだセラピストがホメオパシーを推進している団体のようです。

私は日本ホメオパシー医学会の先生方の中に、事実を重視し真実を見抜く力を見ました。

医師がホメオパシーを学ぶなら、日本ホメオパシー医学会のスタンスをまず知るべきだと思います。

ともあれ、常識にとらわれていたらホメオパシーは到底理解できません。

私もこれからホメオパシー、是非とも積極的に勉強していきたいと思います。


たがしゅう

関連記事

            
                                  

コメント

非公開コメント
        

不思議な世界
たがしゅう先生の読解力に期待してます。

私自身、ホメオパシーには興味があり調べた経験はありますが、作用機序が素人には理解不能でした。

それでも分かったのは、処方する方の技術レベルが結果に雲泥の差を生むということです。
加えて
漢方よりさじ加減が重要な印象です。

私には取っつきにくい世界ですが、実際に使用して体から膿が出てきて、体調が改善したという人も知っています。

不思議な世界を先生の視点で読み解いていただけたら幸いです。
Re: 不思議な世界
だいきち さん

 コメント頂き有難うございます。

 ホメオパシーは糖質制限に比べて科学的な部分でわかっていない部分がほとんどな世界です。
 読者によってはホメオパシーを認める私のスタンスに引いている方もおられるかもしれませんが、私は気にせず自分が納得するまで勉強してみたいと思います。私は誰にどう思われようと、患者さんの役に立ちうることは何でも習得したいと考えるスタンスです。そして患者とは自分も含まれるカテゴリーなので、これは同時に自分のためでもあります。

> 漢方よりさじ加減が重要な印象です。

 同意見です。レメディ選択までのアプローチを学ぶと、漢方以上に詳細な問診で、何より患者自身の言葉で語らせるという点に重きが置かれており、言ってみれば非常に手間のかかる作業です。それでも時間を取り患者さんの症状をよくしようと努力する姿勢に私はその医師の信念を感じます。
こんにちは
ブログなどで私たちが接する機会のある団体は
「日本ホメオパシー医学協会」の方なんですね
そちらが実際にどこまで「ホンモノ」であるかも知りませんけど
さらに
団体にも属さない「まやかし」のセラピストもいるのでしょうし
素人では区別がつかず、一緒になってしまっているのが残念です

中医学、漢方、ほかの代替医療もそうではないでしょうか
Re: こんにちは
みい さん

 コメント頂き有難うございます。

 日本ホメオパシー医学協会がどのような内容を教えているのかについてはまだ私にはわかりません。
 しかしここまで学んだ限り、ホメオパシーはかなり専門知識を要する医療であり、副作用も生じうるため厳密に管理されるべき治療法です。少なくとも医師の管理下に行うべき内容と思います。

 一方で大多数の医師がまともに取り合ってくれないことがそうした団体を生み出す温床となっている可能性は否定できません。
No title
先生、はじめまして
いつも興味深く拝見しております

「ホメオパシーが動物に効く」から効果がある
という話は、鵜呑みにされるのは早計です

飼い主とのつながりが深い犬、猫は
飼い主が喜ぶことを進んで行ったりします。
それは、病気治療でも同じです
非常に協力的だったり、治るのが早かったりします
飼い主を喜ばせたいという気持ちは、
もしかしたら、人間の子供が、親を喜ばせたいと
思う気持ちよりも強いものがあるかもしれません

人間に飼われたことのない、
野生種に与えて効いたということなら
説得力があるでしょう

しかし、私はホメオパシーはアリだと思っています
西洋薬だけがすべてじゃありませんしね。
こう言っちゃなんですが、丸山ワクチンに通じる部分もあるような気がします
(もちろん丸山ワクチンは効くと仮定してます)




Re: No title
マダム さん

 コメント頂き有難うございます。

> 飼い主とのつながりが深い犬、猫は
> 飼い主が喜ぶことを進んで行ったりします。


 なるほど。飼いならされた動物ではプラセボ的な効果が出現しうるということですね。
 ただ、まだ私の目で直接見たわけではないのですが、
 ホメオパシーの効き方はレメディを飲んだ直後にびっくりするくらい症状がよくなるような効き方をする場合があるそうです。
 もし飼っている動物でレメディを飲んだ直後に良くなることがあれば、さすがにプラセボでは説明できないのではないかとも思います。いずれにしても見えない世界の話なので推論の域を出ませんが。

 さりとて野生種での実証は、現実的にはなかなか難しいかもしれませんね。
No title
いつも興味深い記事をありがとうございます。

「常識にとらわれていたらホメオパシーは到底理解できません。」

目に見えないものは受け入れ難いものです。
これが、無意識に常識として認識されます。

常識(偏見)を捨て、
目に見えないものにこそ着目し、
それらに多大な影響を受けている事実に
気付くべきだと思います。

ホメオパシーの真実を理解することは、
同時に、壮大なテーマへに近づく事だと思います。
Re: No title
Etsuko さん

コメント頂き有難うございます。

目に見えないものの中には嘘八百が混じる余地もあります。
その中の価値があるものに着目するために大事なポイントが事実を真摯に受け止めるということだと思います。

ヒトは生きていく中で知らず知らずのうちに自分の価値観という色眼鏡で世界を見て、時に事実を歪めて解釈してしまうことがあります。いかにありのままを、余計な解釈を挟まずにまっすぐに見つめられるかが大事だと思います。