良い触り心地でストレスを軽減する
2017/09/08 00:00:01 |
ストレスマネジメント |
コメント:7件
「ブランケット症候群」という言葉を御存知でしょうか。
幼い頃から長いこと使い続けてきたタオルやぬいぐるみなどの触り心地のよいものをくたくたになるまで触り続け、
愛着が付き過ぎるがゆえに寝るときにそのものがないと眠れなくなってしまう症候群のことです。
漫画「スヌーピー」でライナスという男の子がいつも柔らかい毛布を引きずるように持ち歩いていて、みんなに嘲笑されるキャラクターとして登場することから、別名「ライナスの毛布」とも呼ばれる症候群です。
実は、カミングアウトしますが、私はブランケット症候群です。
子供の頃から使い続けて古くてボロボロになったタオルを寝るときに、いまだに枕にしたり抱えたりしています。 ほとんど原型をとどめないほどにあちこちが破れボロボロになっていて、もはやタオルとしての機能を果たしていないのですが、
触り心地の良さは健在で、しかもなぜか良いにおいがしますので、私にとって寝るときには欠かせないグッズとなっているのです。
これは洗ってはダメで、1回洗ってしまうと独特の臭いや肌触りが一気になくなってしまうので、もう何年も洗っていないまま毎日使い続けています。
そうすると普通に考えると、雑菌がつきまくっていてもおかしくはないわけですが、
私は毎夜密着しまくっていますが、何の感染症にもかからず元気そのものです。
こういう所からも私は、ヒトは菌と共生して生きていくのが普通だということを実感しているのです。
しかし流石に出張の時には持っていきません。
それでもホテルとかで普通にぐっすり寝るので、実際には無いと絶対に眠れないというわけではないのですが、
家ではそれがないと入眠までの時間が長くなってしまうので、私にとっての睡眠導入剤的な位置づけになっているように思います。
そんな「ブランケット症候群」「ライナスの毛布」について先日紹介した本に書かれていたので少し紹介します。
(『皮膚は「心」を持っていた!』、p57-58より引用)
【世界中の子どもが持っている「ライナスの毛布」】
やわらかい布の感触は、触ると心地よく、老若男女問わず安心感を与えてくれる。
子どもの頃、ある特定のぬいぐるみやタオルなど触り心地のいいものを、肌身離さず持っていたという記憶がある人はいないだろうか。
私の知り合いでも、幼い頃タオルを手放せず、ボロボロになるまで持っていた人や、ぬいぐるみと文字通り寝食をともにするほど一緒にいて、白クマが黒クマになってしまったという人もいる。
どの人も共通しているのは、その手触りである。
「タオルが汚くてもボロボロでも、そのクタクタになった感触がよかった」
「ぬいぐるみのふわふわした毛並みを触っていると安心した」という。
子どもにおこなった実験で、クマのぬいぐるみであるテディベアを触らせたグループと、見せただけで触らせなかったグループに分け、そのあとで不安を喚起させるような話をした。
すると、テディベアに触れたグループのほうが、触らせなかったグループよりも、明らかに不安感が低くなったのである。
(引用、ここまで)
普通こどもの頃までで終了する「ライナスの毛布」が、
大人になってまで続いている私は恥ずかしい限りですが、
逆に言えば、このことは大人、子どもに関わらず心地よい手触りというものが、
高度情報処理器官である皮膚を通じて不安感軽減、抗ストレス効果をもたらす基本的システムとして存在している事を示唆しています。
それが大人になって「ライナスの毛布」を持っているなんてみっともないという社会通念のようなものによって人為的に抑制されているだけであって、
その事を気にせず、おおいにそのシステムをストレスマネジメントに利用すればいいと私は思います。
どうやら私の場合は無意識に「ライナスの毛布」によるストレスマネジメントを行っていたようですが、
何もその方法は必ずしも「ライナスの毛布」でなくても構いません。
触り心地の良い肌着、あるいは自分で自分の腕などをさするセルフタッチなどで代用すれば、現代の社会通念と共存しつつ皮膚の持つ抗ストレスシステムを利用できるのではないかと思います。
ちなみに、この既存の概念や制度とどうやって共存していくかという観点は、
今後考えるべき大きなテーマではないかとも私は考えています。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
チューチュータオル、ベロ(ン)ベロ(ン)タオル
先生のそのタオル、何色かしら?形状は?って想像しながら読みました(笑)落ち着いて眠ることができるのなら、これは安全安心、そして立派なストレスマネイジメントだと思います。以下は我が家バージョンです。
私も子供の頃(園児ぐらいまでですが)、特定のタオルでは無かったですが、タオルの端っこの固いところを、チューチュー吸いながら寝ていました。チューチューしすぎて柔らかくなると、次の端っこに。そうして四隅チューチュー終わる頃は眠りにつく•••で、いつの間にか、そのチューチュータオルから卒業しました。
一方!我が夫、未だに寝る時にベロベロタオル(と私が勝手に呼んでます)が必須です。コレは、冬生まれの夫が冷たい空気を吸わないように⁈と、姑が鼻を塞がない程度に赤ん坊の口元にタオルを被せていた事に由来しているようですが、特定のタオルではないものの、口元というか首元にタオルケットを巻きつけて寝ています。クソ暑いこの時期、見ているだけでこちらが暑くなりますが、ご本人はこれが無いと眠りが浅くなる?そうです。こんな具合なので、旅行中は、大判のバスタオルは一枚は夫のベロベロタオル用になりますので、私はいつもフェイスタオルで身体を拭く羽目になっています。
私は、今更?チューチュータオル復活しようとは思わないのですが、安全な入眠導入剤を持っている人が羨ましいです!
Re: チューチュータオル、ベロ(ン)ベロ(ン)タオル
コメント頂き有難うございます。
私のタオルもベロベロです(笑)。独りならいいですが、家族も関わると迷惑かけてしまいますね。
大事なポイントは肌触りなので、必ずしもタオルでなくとも抱き枕とかセルフタッチとかスキンシップとか、他のものでも自然のメカニズムを利用した睡眠導入剤になる可能性はあると思います。
管理人のみ閲覧できます
Re: No title
御質問頂き有難うございます。
インスリン分泌には甘味等に反応して食後5~10分後のタイミングでβ細胞にとりあえずストックされたインスリンを出す第一相と、その後本格的にβ細胞から持続分泌される第二相とがあります。
第一相と第二相のパターンには若干の個人差があります。糖尿病患者では第一相が消失するとも言われています。
このパターンによっては御提示のような血糖パターンもありうることと思われます。
糖質制限とポリープ
3年前に大腸ポリープ切除してから
糖質制限(主食無し、イモ類も)に励んでいました。
が、今回また検査でひっかかりポリープ切除して
結果待ちです(悪性がどうか)
糖質制限が万能でないにしろ、
何か生活習慣、食習慣の見直しが必要ということでしょうか?
(一般の人より)糖質を避けていたのに、、、という
思いがあるので、ショックを受けています。
低糖質食品を沢山食べ、結局「食後高血糖」に
なっていたのかも?
食事はもっと厳格に糖質制限が必要なのか、、
どんな生活改善をしたらいいのか迷っています
※ご参考までに。
3年前と違って
点滴は「食後高血糖」なのでブドウ糖、抜いてもらいなさいとかかりつけの先生から言われています→で、すんなりOKでした。
でも病院食はおかゆとかフツーにでましたが
スルーしました。
アレルギーといえば、根堀葉ほりうるさいので困りました。
Re: 糖質制限とポリープ
御質問頂き有難うございます。
りりー さんの場合、糖質制限による代謝改善効果が十分ではないということになるのではないかと思います。
例えば、高蛋白食でも人によってかなりインスリンが分泌されるため、ポリープ化、がん化を促進する可能性があります。
以下、もう糖質制限で見直せる部分はない事を前提で考えますと、あくまで総論的なことしか言えませんが、
・蛋白質の量を体調をベースにコントロールする。
・食事回数を減らし、消化管機能を整える機会を作る(プチ断食、間欠的ファスティング)。
なお低糖質食品もいろいろな意味で食べ過ぎは禁物です。
ありがとうございます!
ありがとうございます!
かかりつけ医(町の開業医)で
糖質制限については話せないので
(全く理解ないです(笑))
コメント頂きすごく心強かったです。
タンパク質を以前より増やしたのは確かです。
玉子を1日に3個食べるだけで
強烈なガスになります。"(-""-)"
食習慣を抜本的に見直すため
食べたものをノートに書きだそうと思います。
たがしゅう先生のブログ、そして実験楽しみにしています!
※朝の血糖値ですが
ぐんとすごしやすくなったせいか
途端に10ほど下がっています。不思議ですね。
(食事は変えてないです)
※余談ですが
今度検査受けるときは
「日帰りOK」のところにします。
費用も時間も負担が大きく、
自己責任で帰りますといっても
ダメだったので。
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