心と身体を整える名曲
2017/08/19 00:00:01 |
ふと思った事 |
コメント:4件
「上を向いて歩こう」という名曲があります。
50年以上前の曲なのに、今でもほとんどの人が知っているのではないでしょうか。それだけ愛され時代を超えて受け継がれてきているということだと思います。
辛いことがあっても悲しみを乗り越えて人生を歩んで行こうというメッセージが込められているのだと思いますが、
上を向いて歩くことは、気持ちの問題だけではなく身体的にも状態を安定させる可能性があります。
以前も記事にしたように、現代社会は何も意識しないと長時間のテレビ、パソコンやスマホの使用でただでさえ姿勢が前傾になりがちです。
そして気持ちが落ち込むことがあれば、さらに肩を落とし頭が垂れ下がります。
下を向いて歩いていると、重心が前にずれてインナーマッスルを使わずに、姿勢の悪さを骨を支点にして支え続けることになってしまいます。 そういう状態がずっと続くと、インナーマッスルを使わないばかりか、骨に負担がかかり続けてしまいます。
通常首の骨(頚椎)の並びは軽く前にしなる(前彎)のが普通ですが、
慢性的に肩こりがある人などの首のレントゲンを撮ると、かなりの確率でそのしなりが消失しています。
しなりがなくなり首の骨の並びが文字通りまっすぐストレートになっている状態をストレートネックと呼び、
上記の理由で首の骨に物理的な負担がかかり続けていることが大きな原因と考えられています。
肩こりやストレスが主因の緊張型頭痛は、糖質制限単独ではすっきりとよくなりきらない病態の一つですが、
その背景にはこのような姿勢異常、ひいてはインナーマッスルの機能低下、自律神経失調が関わっているように思われます。
先日、通っているジムに向かって歩いている時、
気が付けば首が下になって歩いている自分にふと気付きました。
その日の仕事に疲れたからなのか、ちょっと嫌なことがあったからなのかわかりませんが、
案外無意識のうちに下向きに歩いてしまっていることが結構あるのかもしれないと思うと、自分にとっては根の深い問題です。
一度習慣になってしまった事を変えるのは至難の業です。それを変えようと思えば何らかの人為的介入が必要になると思います。
そこで思い出したのは、冒頭の「上を向いて歩こう」という名曲です。
「う~えをむ~いて、あ~るこうおうぉぅぉぅ、な~みだが~こ~ぼれ~ないよぉ~に・・・」
頭に思い浮かべながら歩いていると、不思議と上を向いて歩きやすいんですよね。
気持ちの沈んでいても、後ろから背中を押してもらっているような気持ちにさえなってきます。
心身一如という言葉もありますが、気持ちが明るくなれば自然と背筋も伸びてインナーマッスルも鍛えられますし、自律神経も整います。
もしかしたら、この歌が愛されている理由の一つには、
気分の問題だけではなく、実際に心も身体も整えてくれるということがあるのかもしれません。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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No title
最近、たがしゅうさんのブログの存在を知り読み耽っております。
単純な低糖質を行ってもいまいち体重が落ちないこともあって、たがしゅうさんのサラダチキンやささみ負荷試験を元に、自分なりにやり方を考えております。
元々、興味のある事柄に関しては知欲が貪欲(なつもり)で、直接今の自分には関係ないながらも興味をそそる記事も多くて、引き寄せられています。
まだすべての表題に目を通していませんが、あれをこうしたらどうこう…的なロジカルなブログじゃない内容にも結構興味を惹かれて読んでいます。
糖質制限をしたら、かなり多くの人が”気がラク”になると思います。
というのもいろいろな先生方が糖質制限で起きる事象を説明してくださる中で、共通する一つのメリットであるからです。
かくいう私も、総量制限から糖質制限に移行したときに(いわゆる)能天気な性格に移行した事から(厳密には、一月ほど総量制限でファーミアマッスルという海外のサプリを飲んでいた…今は飲んでいません)
上を向いて歩く、と言っても、メンタル的な上向き思考と、物理的な背筋を伸ばしていい姿勢で歩こう、ってのは、課題としては違う課題であり、飽く迄両方ともフォローできるわけではないですからね…。
たがしゅうさんが何年産まれかはさて措いて、ついつい先生と言いたくなるサジェストを頂きました。
たがしゅうさんの起こすブログにいちいち興味津々です。
そこでふと気がついたのですが。糖質をガンガンに(あるいは、安いので優先的に)取っていた生活から糖質制限に移行すると、気分的には間違いなく楽になると思います。
ただその個人の姿勢は、紀聞には残念ながら直結していませんね。
たがしゅうさんに、改めて「パリピ的思考」だからと言って実際のホモ・サピエンス当人がどういう姿勢なのか、って言う事柄について違うこともあるんだな・・・と気づきました!!
直接ズバリ答えていただけるより、考えるヒントを頂けたほうが後々嬉しい人間なので、今後ともよろしくお願いいたします。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
糖質制限が精神へ影響を及ぼすことはあっても、その人の思考自身は変えられないと私は考えています。
No title
横浜の豚からあげで名刺交換させていただいた
I歯科のNです。
相変わらず思考が積み重ねられており勉強になります。何度かかきこみをしようとおもって躊躇しておりましたが、現在もっとも関心のあることなので私見を書き込みさせていただきます。
ストレートネックというのは木を見て森を見ずの診断ですし、背筋は伸ばしてはいけません。上を向くのはOKです。
ストレートネックの本質は脊椎の生理的彎曲(頸椎 前彎、 胸椎 後彎、 腰椎 前彎、)からの乖離です。脊椎全体(ひいては骨格全体)で診る必要があります。
特に日本人は背筋を伸ばせとさんざん指導されてきて、胸椎の後彎および柔軟性がなくなること(=背筋を伸ばす)、を補償するため頸椎の前彎が消失して固定化+腰椎の過度の前彎(その結果腰痛)がおこっています。腰椎の過度の前彎で大腰筋(インナーマッスル、起始12胸椎~第4腰椎 停止、小転子)の短縮がおこり(まあどちらが先かは場合によると思います。ちなみに大腰筋の短縮は、いすに座るデスクワーク(現代生活)によって促進されます)腰椎および股関節の固定につながります。これを修正するため、いわゆるドローインといわれる体幹トレーニングが重用されています。
私は脊椎の生理的彎曲からの乖離は多くの疾患に関与していると思っております。脊椎という体の軸からあらゆる末梢神経が出て、内臓のある胸郭や腹腔をささえています。内蔵の入れ物である胸郭や腹腔が変形すればどうなるかは想像に難くないはずです。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
> ストレートネックの本質は脊椎の生理的彎曲(頸椎 前彎、 胸椎 後彎、 腰椎 前彎、)からの乖離です。
> いわゆるドローインといわれる体幹トレーニングが重用されています。
興味深いです。
ドローインについても初めて知りました。
私達が便利さを求めた結果、無意識のうちに失っているものは意外と多いのかもしれませんね。
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