世界は多様性でできている

2017/08/07 00:00:01 | ふと思った事 | コメント:0件

私の75gブドウ糖負荷試験の結果をお示ししましたが、

すべての人が同じような結果を示すわけではなく、おそらくは様々な多様性があることでしょう。

1回の試験ですべてを語ることもできません。その人が送ってきた人生の様々な出来事の影響を受けその時の結果があります。

糖質を摂取すれば血糖値が上昇する」とは生理学、生化学的に確認される事実ではありますが、

現実世界ではその程度に多様性が生まれるということを私達は認識しておく必要があると私は思います。

これは基本的に非生物を扱う機械工学の世界とは決定的に異なる所です。
医学の世界では、エビデンスを創出するというプロセスを通じて、

すべての人間に当てはまる共通原理のようなものを見出そうとしていますが、

それは多様性のある人間をあえて一様に捉えることで、

誤解を恐れずに言えば、生命現象を機械的なものとして把握して語ろうとする行為と言えるのではないでしょうか。

糖質が血糖値を上げるのが事実だとしても、それが自分にとっては量をどれくらい摂れば血糖値がどのくらい上がるのかということはやってみなければわかりません。

そしてどのくらい糖質を制限するのがよいのかということも、共通原理のようなものからは具体的に学び取ることはできません。

けれど一般的に人は権威ある医学情報をまるで自分の身体に巻き起こる絶対的な事実のように受け止めてしまう傾向があると思いますが、

結局はやってみなければわからない、人生はトライ&エラーの連続なのです。


そういう意味では、生化学的な理論に頼り切る姿勢にも問題があります。

ブドウ糖が解糖系で使用されれば2ATP、ミトコンドリアで酸素を用いて代謝されれば36ATPが作られエネルギーとなるという生化学的事実も、

そう言われたら誰もが共通する原理のように思ってしまいがちですが、

実際にはこれらは複数ある反応プロセスのすべてが滞りなく行われることが前提での話です。

反応プロセスが補酵素や基質どうしの結合の問題で100%進むはずのところが、70%しか進まない場合には前提が崩れてくることになります。

また可逆的な反応プロセスであれば右から左へ進んでいると思われた反応が、同時に左から右へも進んでいるという現象も起こり得ます。その程度にまた多様性があるのです。

しかも、生化学的に解明されていない現象のことも考えれば、その多様性はさらに複雑なものとなります。

そのような超複雑系の世界の中で、超複雑系の生物が多様性を持ちながら世界はできているのだと私は思います。

だからエビデンスとか、生化学的な理論とかは、

未知なるジャングルを冒険する上での地図や目印のようなものと捉えるべきで、

実際に何が起こるかはジャングルに入ってみないことにはわからないということなのだと思います。

決して地図を見てすべてをわかったようなつもりになってはいけないと思います。


たがしゅう
関連記事

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する