情報はシンプルに伝えるべし
2017/07/25 00:00:01 |
自分のこと |
コメント:4件
現在私は院内で月に2回のペースで勉強会を開くことを自らのノルマとしています。
テーマは糖質制限、湿潤療法、認知症コウノメソッド、音楽療法、漢方など私が興味を持つ様々なものについてです。
別に誰に言われてやったわけではありません。自らが自主的にやりたいと言ってそのようにさせてもらっています。
理由は「プレゼンの能力を鍛えるため」、「自分の頭の中での混沌とした知識を整理するため」「繰り返し行うことで病院の文化として定着させていくため」などです。
中でもプレゼン能力の鍛錬としての目的は強く意識しています。これが鍛えられることは今後様々な場面で約に立つと思うからです。
そんなことを考えていると、他人のプレゼンを聞いていても内容云々よりも上手か否かという所に目が行くことが多いです。 先日、とある製薬会社主催の勉強会に参加し、
海外留学とか学会賞受賞とか、大層立派な肩書きの先生の糖尿病に関するプレゼンテーションを聴講して参りました。
数年前に比べると糖質制限に対する風当たりもだいぶマイルドになってきたようで、
その先生の糖質制限に関する主張は、「low carbo dietは確かに有効だが、長期的には不明な点が多い。なので私は同等の効果ができる食べる順番療法を中心にバランスよく食べるのがよいと思う」というものでした。
食べる順番療法と糖質制限の効果が同等だという点に関しては大いに異論がありますが、今回はひとまずその点は置いておいて、
今回注目したいのはその先生のプレゼンテーション自体の出来についてです。
主としてDPP4阻害剤についての発表で、豊富なエビデンスやCGM(持続血糖モニタリング)のデータを紹介しておられたのですが、
なんというか、非常に早口でまくしたてるように話をされていました。
全部で1時間の発表でしたが、正直言って「情報詰め込みすぎ」という感は否めませんでした。
立派な経歴を持っている先生が上手なプレゼンテーションができるとは限らないという事を改めて思いました。
その先生はものすごく頭が良い人なんだろうなとは思います、しかしいわゆる頭の良い人はえてしていわゆる頭の良くない人の気持ちがわかっていないものです。
情報は多ければ多いほどよいというものではありません。時には多い情報が伝えるべき大切な情報を伝えにくくすることだってあります。
別に上から目線のつもりではなく、これを自分のプレゼンに置き換えて、自己批判のつもりで言いますが、
プレゼン画面で表示する情報はできるだけシンプルで凝縮した内容のものだけにすべきだと思いました。
大は小を兼ねるとは言いますが、良いプレゼンを目指す場合においてはその法則は当てはまらないと思います。
「他人のふり見てわがふり直せ」の気持ちで、
こうしたプレゼンを反面教師とし、私のプレゼン能力も磨いていきたいと思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
No title
「二つ以上の方法で説明できなくては理解しているとは言えない」「高校生に理解できるように説明できなくては理解できているとは言えない」
産まれたばかりの赤ちゃんに明日から歩け、じゃなければ無能だと言えば誰もがナンセンスだと感じるでしょう。そう考えれば我々はなんとナンセンスな世の中に住んでいるのだろうと思います。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
おっしゃる通りですね。
いかに相手の立場を配慮してわかるように説明できるか、これが大事なことだと思います。
リブレ
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2016/026221.php
閉会の辞を述べたある開業医(病態栄養学会評議員)は、こう言いました
「リブレで測定して血糖値が上がったなら、まず食事内容の改善をかんがえてみるべきです。炭水化物の摂取量は確定しないものがあるが…」
食べる順番については、全くふれませんでした
この先生は、実際に患者で測定してみて、食べる順番より糖質制限の方が影響が大きいと考えているようです。
Re: リブレ
コメント頂き有難うございます。
リブレの登場で今まで見えなかった部分が見えるようになってきましたね。
食べる順番療法より糖質制限の方が有効であることは、担当医が認めなくても患者自身が確かめられるようになりました。医師主導から患者中心の医療に向けて、時代は着実に変わってきていると思います。
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