「遊び」を利用しダメージを減らす

2017/07/22 00:00:01 | ふと思った事 | コメント:0件

先日、東京に出張していた際に、

乗っていた電車が徐々に満員となり、あまりにも人が多すぎるが故に車両と車両の連結部分に押し込まれるという出来事がありました。

連結部分の上に乗って耐えていると、電車が曲がったり何かする度に足元から突き上げるような結構強めの衝撃が私に加わりました。

おやっと思い、連結部分の構造をまじまじと観察してみると、

金属と金属との接続部がよく可動するような構造、いわゆる「遊び」が設けられている事に気付きました。

連結部分の遊びが、そこに加わる衝撃力を逃すことで車内に加わる衝撃はそうでもなくなるように工夫がなされているのだと思います。 こうしたよくできた設計が積み重ねられて電車というものができ、

今や私達が遠距離を移動するための欠かせない交通手段となり、そのおかげで様々な人達との交流が生まれたという事を考えると、

こうした設計を編み出した先人の功績に有り難みを感じずにはいられません。


機械工学の世界は現象のコントロールに長けていると思います。

かたや医学の世界は病気のコントロールに一苦労です。

医学は基本的には95%以上の確率で治療効果があればよしとする世界ですが、裏を返せば5%未満の失敗は気にしない緩さがあります。

しかし工学の世界で5%も失敗する機械は、大欠陥製品です。失敗を0.001%未満に抑える厳密さを持つ工学のノウハウを私達は大いに学ぶ必要があると思います。

その観点で、先ほどの電車の連結部分の話を、人間の身体に置き換えて考えるとどうでしょうか。

例えば連結部分が人間の関節で、車両が身体本体とします。

関節に「遊び」を持たせるためには関節可動域を拡げる必要があります。

関節可動域が拡がれば、ふいに起こる衝撃に対しても身体本体へのダメージを減らすことができます。

その意味で関節可動域を拡げるストレッチや、私が最近ハマっているヨガは有意義だということになります。

あるいは連結部分を「休み」、車両を「仕事」と捉えればどうでしょう。

休みに「遊び」がある、とは「ある程度ゆとりを持って休むことができる」ことを意味します。

ある程度ゆとりを持って休むことができる環境であれば、不意な病気や怪我に対しても休む時間を調整して体調を整えることができます。

そのことが「仕事」へのダメージを減らし、仕事の効率が下がるのを最小限に食い止めることができる、というわけです。

逆に言えば、遊びがなければ、車体にヒビが蓄積されていくが如く、

仕事の効率が下がるばかりでなく、発散できるはずのストレスが蓄積していき、

様々なストレス関連疾患の温床になりかねません。

もし休みが十分に取れないようならば、仕事の在り方、あるいは仕事そのものを変える事を含めて考えてみた方が良いかもしれません。


このように工学から学べば、失敗ゼロにするまでは行かずとも、

失敗をゼロに近づけるためのノウハウにたくさん気付けるのではないかと思います。


たがしゅう
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