何もしないのは難しい

2017/07/20 00:00:01 | ふと思った事 | コメント:0件

糖質制限を通じて知り合った方から、

物書きの方が文章を書くのに行き詰まった時に用いる「チャンドラー方式」という手法について教えてもらいました。

方法は極めてシンプルです。まず自分が文章を書くのに適したデスクをひとつに決めることです。

そして文章が思いつかない時は、思いつかなくてもいいからそのデスクのそばに2時間居続ける、これがチャンドラー方式です。

この時のポイントは、デスクについている時に「文章を書く以外のことを行なってはいけない」ということです。

文章が思いつかないからといって、コーヒーを飲んだり、テレビをつけたり、スマホをいじったりしてはいけないのです。 その代わり、何も考えずにデスクの前でぼ〜っとして何もしないのはアリです。いえ、むしろそうさせることがこの方式の狙いなのかもしれません。

何もしないことによるメリットはマインドフルネスで学んだように脳の情報が整理されるところにあります。

何もせずただぼ〜っとしていると、突然ふとよいアイデアを思いつくことがあります。チャンドラー方式はこのメリットを文章作成に活かしているのではないかと思われます。

しかしながら、この「何もしない」、実行するのは意外と大変です。

特に2時間ともなれば、やってみるとわかりますが、これほど長く感じられる2時間もないと思います。

逆に言えば、私達がいかに「何もしない」ことに慣らされていないかということにもなると思います。


例えばテレビをつければ、たとえ内容をまともに見ていなかったとしても、それが視界に入っている時点で何もしないことにはなりません。

なぜならば、めまぐるしく変わるテレビ画面の色や形などの視覚情報を、私達は目を通じて瞬間的に受け取り脳の後頭葉にある視覚野が反応してしまうからです。

コーヒーを飲めば味覚が反応します。従って何もしないためには視覚や味覚など余計な感覚情報を遮る必要があります。

それによって何もしない時に活動する脳の深部領域、デフォルトモードネットワークを活性化させる必要があるのです。

デスクの周りに本やら雑貨やらがたくさん置いてあるのも不適切です。不要な視覚情報が入ってくるからです。

ですから本格的に文章を書くためには、机と書くもの以外何もないくらいの状況で書くというのが最適だということになります。


私などは家が本だらけですから、本が周りにあると妙に安心するという側面もあるのですが、

本を周りにたくさん置くという人為は、その反面、何かに集中するときの効率を悪くするという弊害があると思います。

しかも本を周りにたくさん置いて、それらを全て読んでいればよいですが、たいていは読まずにそこに置き続けているだけのものばかりです。

それなら自分の見えないどこか別のところに置いておいた方がまだいいですね。

私もおかげさまで、毎日の短いブログ記事くらいの文章作成力は随分鍛えられましたが、

それ以上の書籍になるレベルの文章を書くにはまだまだ実力が足りません。

しかし、これだけブログを続けてきて、そのおかげで自分の中での世界観が固まってきたところはありますので、

できればその世界観をまとめて一冊の本にしたいという欲求はあります。

実は数年前から考えている構想ですが、なかなか思うようには進みません。

とりあえず私のデスク周りから本を排除するあたりから始めてみたいと思います。

そのように環境を変えて脳に与える情報を変化させることが、

打開策につながるかもしれません。


たがしゅう
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