不安とは自分の心が作り出す
2017/06/23 00:00:01 |
素朴な疑問 |
コメント:4件
たがしゅうブログを運営していて糖質制限実践者からの質問を時々受けることがあります。
「糖質制限をしていて○△□◇・・・といった状況なのですが、このまま糖質制限を続けていて大丈夫でしょうか。不安なので先生の御意見をうかがいたいです。」といった内容が多いです。
私に関して言えば、糖質制限を今後一生続けていく事に関して一切の不安はありません。
自分の体調も良くなっているし、患者さんの診療にも活かせるし、指導の言葉に説得力を持たせることもできる。
理論的にも穴のない糖質制限を続けることに不安を感じる要素がありません。
では私に質問を下さる方はどうして不安を感じているのでしょうか。私と何が違うのでしょうか。 そこにはいろいろな要因があるとは思いますが、多くの場合、不安を感じている人が行っている糖質制限はいわゆる緩やかな糖質制限です。
糖質が入る時もあれば、入らないこともあったりで、波があって調子の良い時も悪い時もいろいろあるのでしょう。
そんな中でこのまま続けていいのかという不安を感じておられるわけですが、そういった方に「糖質制限の精度を高めてみては?」と勧めると、
必ずと言っていいほど返って来る台詞が「流石にそこまで制限するのは難しい」というものです。
それはつまり、その人の頭の中には「糖質制限を行うことは通常ではない食事法である」という認識があるという事を意味しているのではないかと思います。
私からすれば糖質主体の食品を摂らないことの方がより自然に近い食事法なので、「流石にそこまで」の意味がわかりません。
多分その認識が変わらない限り、いつまで経っても糖質制限を続ける事による不安はぬぐえないのだろうと思います。
おそらく質問者の方は私にこう言ってもらいたいのです。
「大丈夫ですよ。そのままの食事で全く問題はありませんよ。」
しかしそんな事を、その人の食事を直接見た事があるわけではない私が答えられようはずもありません。
不安とはその人の心が作り出している感情です。
他人に不安を和らげてもらう方法はいわば対症療法です。その時は和らいでもまた別の不安が次から次へと襲ってくることでしょう。
不安な気持ちを根治するためには、どうしても自分の心と向き合わなければなりません。
私は極端に言えば、たとえ糖質制限のせいで自分の命を失ったとしても後悔はありません。自分で決めたことだからです。
しかし不安な気持ちを感じる人は、結局は自分で決断していないのです。誰か偉い先生が言っているから、友達がやっているから、テレビで取り上げられているから、といった決断レベルなのではないでしょうか。
自分で決断していなければ、いつまで経っても他人の力を借り続ける悪循環を断つことができません。
私に質問してくる方の多くも、すでに他の糖質制限で有名な医師の意見を受けた上で、私に不安をぶつけてくるケースも多くあります。
注意しなければならないのは、ひと口に糖質制限推進派医師といっても皆一様に同じ治療方針というわけではありません。
一番分かりやすいのは、糖質制限にサプリメントを積極的に加えるかどうかです。結構医師によって見解が分かれる所です。
それなのに糖質制限推進派だからといって自分で考えるのを放棄して言われるがままに従い続けたら、
あっちではサプリ必要、こっちではサプリ不要という風に医師間での見解の違いに戸惑い、不安を生じる事になってしまいます。
とにかく自分の頭でしっかりと考えて納得するようにすることです。
素人だからと言って言い訳せずに自分の頭で考えることから逃げないようにすることです。
そうすればあなたの心を悩ませる不安は、
いつの間にか消え去っているのではないかと私は思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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変われる人
今日の話題とは若干違いますが、とてもうれしいことがあったので報告いたします。
昨年の4月に入職した若い職員が、インシュリンを打っている人でした。典型的なペットボトル症候群で2型糖尿病を発症した人でした。まだ20歳のうら若い女性なのにすでに白髪も出ていて、いたわしい限りでした。主治医がいることは承知で、糖質制限の話をし、千葉県に近いので宗田先生や水野先生の病院を勧めました。しかし田舎に住んで家族ぐるみで今迄お世話になった先生を急に変えることはできないという返事でした。前途ある若い人を何とか救いたいと、江部先生のブログを紹介したり、本を貸したりして経過を見ていたところ、とうとう今月からインシュリン離脱できたという報告がありました。
毎日の血糖測定で、糖質をとらなければ、血糖値が上がらないということを身をもって経験していったからでしょう。私にも、<うどんやご飯を食べないと本当に血糖値が上がりませんね。>と話してくれました。そうして、自分が納得したことをやりながら結果を出していき、ついに内服のみになりました。本当にえらい子だなと感心しました。勧めて本当に良かったと思っています。一人でも若い人を救えた気がしています。やはり彼女のように自分が心から納得しないと人は変われないのですね。
Re: 変われる人
コメント頂き有難うございます。
また糖質制限の事をわかってもらえてよかったですね。
一般的な常識とはかけ離れているがために、糖質制限指導をしていても受け入れてもらえない事が私の経験では大半です。
それでも時折わかってくれる人と出会えて、その人の症状が良くなっていくのを見るにつけ、あきらめずに糖質制限指導を続けていてよかったと思うことがあります。
No title
先日、ある医師が主催する勉強会に出たところ、その医師が糖質制限否定派であることを知りました。
けれど、その医師が言っていることを聞いていると、いくつかの認識の行き違いが背景にあるように、感じました。
まずは、『糖質制限』が何を指すか、という、ことについての認識の違いです。
厳密なケトン食と、健康食として糖質制限を実行しているひとが考えている糖質制限では、中身がずいぶん違いますよね。
そのあたりに誤解があると、その先の話が、違ってくるでしょう。
この医師は、『糖質を摂らずにあぶらでその分をカバーするというのは云々』と言っていましたので、けっこう厳密なケトン食をイメージしていたんじゃないかな、と思いました。
それから、『糖質制限している人は、どうも顔色がおかしい』とこの医師はいうのです。
でも、玄米菜食している人の顔色が変だというのは私もかねてから感じていましたが、普通に糖質制限している人の顔色が変だなんて、まわりの人を見ていても、そんなことはないように思います。
また、『糖質制限によって寿命が延びたという証拠がまだない』というのですが、どのような糖質制限を実行してどれだけ寿命が延びたか、なんていうことは、まだきちんとした条件を揃えてデータを摂った人がいないのですから、証拠なんてないに決まってますよね。
そして、『少しくらいごはんを食べても、ゆっくり噛んで食べれば、そんなに血糖値は上がらない』というのですが、どうでしょう。
まあ、確かに、ごく少量のごはんであれば、糖質オフのスイーツを食べるより、繊維が多い分、ましかもしれませんが、中途半端な量を食べるくらいなら、食べなくたっていいじゃないか、と思います。
だって、野菜などにも糖質はいくらか含まれているのですから。
むしろ、和食を食べてごはんの量を少量に抑えることのほうが、難しいんじゃないか、と思います。
味が濃いおかずが多いですから。
で、その医師が『一日に一回は和食を摂る』ことをすすめる』という理由なのですが、どうも、ビタミンやミネラルや繊維が豊富な多種類の素材や発酵食を一食の中で摂れるから、ということのようです。
(いわゆる『まごわやさしい』です。)
だったら、同じ素材を使って料理すれば、和食でなくてもいいわけですよね。
というわけで、そもそも『何を持って糖質制限食としているのか』についての合意が取れていないところで、糖質制限を批判するのは、意味のない議論のように思えます。
そんなことを気にするよりも、あらたな選択肢の一つとして、糖質制限というものを知ったのなら、それを自分で実際にやってみて、それで調子がいいなら、『自分はこのやり方でいく』と決めればいいだけのことだ、と思います。
それまでの食習慣から離れられず、医師という権威者からのお墨付きがないと新しいことにチャレンジできない人、というのは、自分の中に秘められている可能性を信じず、新たな可能性を開拓することをおそれている、そういう人なんだろう、と思いますね。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
> そもそも『何を持って糖質制限食としているのか』についての合意が取れていないところで、糖質制限を批判するのは、意味のない議論のように思えます。
少なくとも誤解や混乱の元にはなりますね。
「厳格なケトン食」と認識しているのであればまだよいですが、「糖質を制限してアブラばっかり摂る危険な食事療法」という認識が医師の頭にあれば、議論すら成立しません。
世界は自分次第で如何様にも見え方が変わります。
他者との交流の際に、その認識が自分と同様かどうかは意識していて損はないかもしれません。
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