自然の甘味は使いよう

2017/10/03 00:00:01 | 漢方のこと | コメント:7件

甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)という漢方薬があります。小麦(しょうばく)20g、大棗6g、甘草5gの割合で構成される漢方薬で、子供の夜泣きや引きつけに使用される漢方薬です。構成生薬からもわかるようにすごく甘い薬でだからこそ子供に使われる側面があるのですが、小麦(しょうばく)はいわゆるコムギとほぼ同義です。糖質制限的には一見してあまり使用したくない薬と思われるかもしれません。しかし実際には上記の3つの生...続きを読む

漢方薬は薬ではない

2017/09/26 00:00:01 | 漢方のこと | コメント:6件

西洋医学を学んできた医師にとって概して漢方の考え方はとっつきづらいものです。地道に古典的な漢方のお作法を学んでいくのがいわゆる王道だと思いますが、そのお作法に全く頼らずに科学的思考で漢方薬を捉え、西洋医学的な発想での漢方薬の処方術を推進している「サイエンス漢方処方研究会」という会があります。実は私も漢方薬の科学的な側面に興味があり、その会に所属して漢方薬の謎を解き明かすために役立ちそうな情報を学ん...続きを読む

望ましい利益相反関係とは

2017/09/25 00:00:01 | 漢方のこと | コメント:6件

医学界では2004年スタチンの研究論文が製薬会社により有利な内容に捏造されたという可能性が明るみになって以降、利益相反の問題が表立って取り沙汰されるようになりました。もはや学会で研究発表したり論文を書いたりした際に利益相反の有無を明記するのは常識化しています。ただ利益相反がある医師がプレゼンをする場合、どの団体と利益相反があるのかを明記したスライドが1〜2秒で次に送られてしまう事がほとんどで、これを明示...続きを読む

中医学と薬の効き方

2017/09/14 00:00:01 | 漢方のこと | コメント:8件

久しぶりに風邪を引き、のどのいがらっぽさから始まった症状が、漢方を用いても治まらず、咽頭痛、咳へと進展し、周りの人に心配されてしまう状態にまでこじれてしまったので、糖質制限関連で知り合うことができて漢方にもお詳しい先生である鹿児島県鈴木内科クリニックの鈴木功先生に私の風邪を診てもらうことにしました。正確に言うと鈴木先生は漢方よりも歴史の古い本場の中医学に精通しておられる先生です。漢方は中国のものと...続きを読む

オープンスタイルの魅力

2017/09/04 00:00:01 | 漢方のこと | コメント:0件

私は漢方が好きな医者です。なぜ好きかと言えば、できることの応用範囲がものすごく広いということがまずあります。例えば自分が耳鼻科医でなくとも難治性の耳鳴に対して治療の選択肢が提供できたり、血圧が200から90mmHgまで著しい変動を示す為降圧剤が使いにくい患者さんに対して自律神経にアプローチすることで高血圧と低血圧の両方に対応できたり、睡眠薬依存から離脱させたり、急性咽頭炎の強い喉の痛みをすぐさま取り去った...続きを読む