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本当に病気を治したいのなら
「卵はよくないって聞くよね」と言われました。
「何でよくないと言われていると思いますか?おそらくコレステロールが高いという話を聞いたことがありますよね。実は…」
と続けて、コレステロールの意義について説明しようとしたところ、
「いや、あんまりコレステロールとか気にしてないけどね」
と返されました。
世間には「卵はコレステロールが多いから1日1個まで」という誤った健康常識が定着しきっていますが、
この方に至っては、その事すら省略され、「卵は悪い」というイメージだけ残ってしまっているのです。
まるで伝言ゲームのように、大事な情報がそぎ落とされて、変な情報だけが残ったような形です。
こういう方へはコレステロールの正しい意義を説明して、
糖質制限の正当性を説明すれば、理解してもらいやすいかもしれませんが、
反面、このように情報が歪んで伝わってしまう事に、ある種の懸念も感じます。
「糖質制限は危険だ」とするネガティブキャンペーンに関してもそうです。
情報が拡散する際には、なぜ糖質制限が危険なのかという細かい理論は伝わることなく、
「大学の偉い先生が危険だと言っている」という偏った情報だけが、患者にも、医療従事者にも容易に伝わってしまう怖さです。
シンプルな情報はそれだけ伝わりやすいということの裏返しでもあると思います。
それでは、という事で私は糖質制限のことを伝える時に、
時間があるときは、できるだけ書面に書き記しながら説明することにしています。
自分の意図が時間がたって風化してしまわないようにするためです。
こうすれば少なくとも、書き記した事が省略されて理解される可能性は減るように思います。
あるいは、参考書籍を貸し出したりして、次回受診までに読んできてもらうようにしたりしています。
ところが、そういう努力をしていても、結局「野菜をしっかり食べています」など従来の健康常識に戻っていたりする事がよくあるので、
ただ情報の伝え方が悪いということでもないような気がします。
結局、情報の受け手側の問題も大きいのではないでしょうか。
本人が本気で健康を取り戻したいと考えているなら、今までに聞いたことがないであろう私の話を真剣に聞いてしかるべきです。
しかしおそらく頭のどこかで、「食事を多少変えたところでたいした変化はない」というような、
食事療法を軽視する考えがあるから、
卵がどうであろうとあんまり関係ないだろう、という考えにつながってしまうのかもしれません。
当たり前の事ですが、病気を治せるのは、病気を治そうという意思を持った人です。
しかし実際には、医師からの薬をもらうだけで、自分で考える事を放棄している人は実に多いです。
食事はすでに健康に気を遣っていると言って、パン食、野菜中心の食生活を見直さない人、
食事を変えるのが面倒くさくて、医師からの助言を適当に聞き流す人、
どっちもどっちだと思います。
厳しいことを言うようですが、
そういう人は治る資格はないと私は思います。
たがしゅう
コメント
僕がお世話になっていた接骨院の先生は
『私はあなたを治しません。治すのはあなた自身の自然治癒力です。私はそのお手伝いをさせていただきます。』
という張り紙を、治療院に貼っていました。
でもその先生は、僕に小声で
『でもうちの患者さんも、治る気が無い人がたくさんいるんだよ(笑)』
と苦笑いされていました。
糖質制限は、少なくても現在存在する食事療法の中では、最善の方法だと思います。
でも、常識や固定概念やビジネス優先の大きな組織が邪魔して、上手く伝わらないのは、歯がゆいですよね。
そんな中、日々こうして情報発信を続けているたがしゅう先生には、頭が下がります。
精神疾患に長年悩まされ、糖質制限を活路の一つとして活用している者として、心から応援しています。
2014-06-10 00:45 ミロ URL 編集
Re: タイトルなし
コメント頂き有難うございます.
その接骨院の先生,なかなかどうして本質をとらえていますね.
私も糖質制限に救われた者の一人として,糖質制限を通じて見えてきた新しい世界をただただ伝え続けたいです.
2014-06-10 07:09 たがしゅう URL 編集
そうですね。。。。
母も友達に糖質制限をしていると言ったら
『あれ危ないんだってよ?週刊誌に載ってたよ』
と、言われたそうです。
母は、それ以上何も言わなかったそうです。
太った人が一生懸命ウォーキングしていたり、
スーパーで買い物かごに沢山のパンやお菓子、
甘いジュースを入れてる人を見かけると
体の不調はないですか?糖質の取り過ぎは良くないですよ?
と、教えてあげたくなっていましたがもう何も思わなくなりました。
友達にも甘いものが大好きで、チョコを毎日食べているらしいのですが
頭痛持ちで、いつも鎮痛剤を持ち歩いてるんです。
血糖値も高いと言ってました(30代前半です)
糖質制限の話をしましたが、あまりいい顔しなかったので
そのままです。。。。
(私の説明の仕方や良くなかったのかもしれませんが・・)
もう・・、こちら側が疲れちゃいますよね。
良くなると分かっているからこそ、伝えたいのですが
やはり、本人の問題ですね。
自分が疲れるだけなので、あまり熱く語るのは辞めました。
たがしゅう先生は
患者さんやブログの読者に一生懸命伝えようとしてる・・・
それを継続してるというのがとてもすごいと思います。
私はもういいや!という気持ちになっていますもの・・・。
たがしゅう先生は本当にすごい先生だと思います^^
これからも楽しみにしています。
2014-06-10 10:45 美月 URL 編集
Re: そうですね。。。。
こういった人にはこのチョコがおすすめです。1箱56gあたり、糖質は7.6gです
http://www.eatsmart.jp/do/caloriecheck/detail/param/foodCode/9900620002158
2014-06-10 18:15 精神科医師A URL 編集
Re: そうですね。。。。
コメント頂き有難うございます。
> 良くなると分かっているからこそ、伝えたいのですが
> やはり、本人の問題ですね。
> 自分が疲れるだけなので、あまり熱く語るのは辞めました。
お気持ちよくわかります。
いくら頑張っても伝わらない人がいるというのは、この2年の糖質制限指導歴で私もよくわかりました。
だけど一方で、頑張って伝えれば伝わる人がいるという事もまた事実です。
だからこそ私は、この価値ある方法をまだ見ぬ変われる人へ伝えたいと、このブログ活動を自ら買って出ている次第です。
おかげさまでいろいろな方々から反響の声を頂くので、大きなやりがいを感じています。
2014-06-10 19:58 たがしゅう URL 編集
Re: Re: そうですね。。。。
いつも情報を頂き有難うございます。
2014-06-10 20:02 たがしゅう URL 編集
No title
まあ言っても聞かないヤツは聞かないけどね。
Dr.カルピンチョくらい辛辣でないとw
2014-06-10 23:15 あ URL 編集
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
ブログでは等身大の自分を表現するのが、続けるコツであるような気がします。
無理せず自分が日々感じる事を書き連ねていきたいと思います。
2014-06-11 06:38 たがしゅう URL 編集
本当に伝わらないのです。
効果があると、人に話したくなるのは皆一緒のようですが、理解されないのも同じですか。「糖質は必須栄養素である」という思いこみを払拭するのは、その人にとって平凡な隣人である私には無理なのですね。従来の方法で糖尿病治療をしている(ご飯を食べてインスリン打ってますね)同僚に江部先生の本を貸したのですが、読みませんね。
古い常識を打ち破るのは大変ですが、見識ある者の務めかと思います。がんばってください。
2014-06-11 16:42 hide URL 編集
Re: 本当に伝わらないのです。
コメント頂き有難うございます.
> 古い常識を打ち破るのは大変ですが、見識ある者の務めかと思います。がんばってください。
はい,できるだけの事はしたいと思います.
しかし医者が言ってもやっぱり聞いてくれないという人も実に多いです.
それだけ世の中は,「変わりたくない脳」の持ち主であふれているということなのだと思います.なのであせらず,「変われる脳」を持っている人へ着実に伝えていこうと思います.
2014-06-11 20:52 たがしゅう URL 編集