主体的医療

        

主体的な患者にとって苦難の時代

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2019/ 07/ 19
                 
ぼちぼち私の南鹿児島さくら病院での勤務が終わろうとしています。

たいていの私の担当する患者さんは、いつもの薬をもらうために通っている患者さん達がほとんどなので、

後任の医師へ引き継ぐ場合もそれほど苦労はありません。「病状は安定しているので、よければ同じ処方を続けて下さい」ですとか、「時々血液検査を実施して下さい」といった具合になります。

ところが、中に私の診療を希望して遠方からわざわざ訪れた患者さん達を引き継ごうという時に難しいと感じる場面があります。

なぜならば私の診療に対するスタンスと他の医師のスタンスは大きく異なるからです。
                         
                

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やさしい医者がよいとは限らない

category - 主体的医療
2019/ 07/ 03
                 
たまたま受診した病院で、担当のお医者さんがやさしい人だと患者としては安心するかもしれません。

勿論、やさしくないよりもやさしい方がよいというのは、確かにそうかもしれませんが、

そのやさしさには大きな落とし穴があるということを今日は語ってみたいと思います。

なぜやさしい医師がよいとは限らないか、ということをお話する前に、

皆さんは病院を受診した際に、何をどうしてほしいという希望は持っておられるでしょうか。
                         
                

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主体的でありたくても無理な環境

category - 主体的医療
2019/ 05/ 22
                 
知り合いのナースから聞いたとある高齢患者さんの話です。

患者さんの住む地域は田舎町で、地元の医師は数えるくらいしかいません。

なので病院にかかろうかと思ったら自ずと一つのクリニックにかかるしか選択肢がないという状況です。

その患者さんの主治医は年配の医師でいつも数分のやりとりと軽い診察があるのみで、同じ薬を出し続けるというスタイルの医師でした。

高血圧に対して、その医師の言われるがままの治療を受け続けた患者さんはいつの間にか薬の数が増えていき、

やがて降圧薬が4つも処方される状況となってしまいました。
                         
                

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任せれば希望の道へは進めない

category - 主体的医療
2019/ 05/ 04
                 
もしもあなたが友人や恋人から、今日の夜に何を食べたいかを尋ねられ、それに返事する場合のことを想像してみて下さい。

おそらくは「あなた(みんな)が好きなものでいい」とか、「自分は何であっても構わない」という返事が多いのではないかと想像されます。

こうした返事は一見相手を思いやっているようでもあります。「自分のことは気にしなくていいから、好きなものを自由に選んでほしい」と相手に選択する自由を提供している側面があるからです。

ただ、裏を返せば、食事を選択するにあたってかかる責任から自分は逃れようとしているという側面もあるように思います。

それが証拠にこうした返事をするのはかなり楽であるはずです。

本当は何でもいいと言いながら、自分の嫌いな料理が出て来たら嫌なはずです。

しかしそのリスク以上に自分が選択をしない事の楽さ加減に多くの人が惹かれてしまうということなのではないでしょうか。
                         
                

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根治を目指すなら総合診療的スタンス

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2019/ 04/ 18
                 
今月の日本内科学会雑誌の特集は「内科サブスペシャルティから総合的に考える代謝内分泌疾患」です。

サブスペシャルティというのは直訳すれば「副専門性」で、

例えばスペシャルティが循環器内科でサブスペシャルティが不整脈、スペシャルティが脳神経内科でサブスペシャルティが神経変性疾患というように、専門性の中のさらに細分化された専門分野という意味になります。

内科がスペシャルティであれば、消化器、循環器、呼吸器、腎臓、血液、神経、アレルギー・膠原病、感染症はそれぞれ内科のサブスペシャルティということになります。

さてそんな細分化されたサブスペシャルティの立場から、各分野の病気には実は総合的に捉えるべき部分がありますよというのが今回特集されている内容となります。
                         
                

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