風邪をひいたらチャンス

2014/12/27 00:01:00 | ふと思った事 | コメント:2件

心と身体は文字通りつながっています。

怒り、悲しみ、泣き、笑いなどの情動をはじめ、複雑な高次脳機能は、

神経伝達物質の複雑なバランスや神経細胞の複雑なネットワークによって作り出されています。

物質の材料は蛋白質ですし、神経の電気刺激を伝える時の絶縁体に相当する髄鞘(ミエリン)はコレステロールによって構成されています。

何を食べているかという事は精神状態に与えるという事です。

一方で精神状態がどうであるかという事も自律神経や内分泌系の働きを介して身体に影響を与えます。

負の経験をポジティブに解釈するという事も、単に気持ちの問題だけではないという事です。 以前ブログ記事にしたように、「ストレスは身体の活性化」ととらえる事も身体を実際に好転させます。

「ピンチはチャンス」という言葉もあるように、負の経験も考えようによっては活かす事ができるのです。


私の場合は医師ならではかもしれませんが、

「風邪を引いたらチャンス」と思うようにしています。

というのは風邪は漢方の腕を試すには絶好のチャンスであるからです。

風邪の一般的な罹病期間は1~2週間ですので、それより早くかつ症状を和らげて治す事ができれば合格です。

一般的に風邪の診療は解熱鎮痛剤などの入った総合感冒薬や抗生物質を使用される事が多いですが、

一方で漢方の目線で風邪診療に携わった場合は、実に選択肢が多く奥が深いです。

自分の頭で考えるためには実体験は重要な意味を持ちます。

自分の風邪をうまく治す事ができれば、その経験は患者さんへの診療にも活かす事ができるだけではなく、

そのように「風邪=チャンス」とポジティブに考える事自体が、

身体によい影響を与えるということです。


ピンチをチャンスに変えるきっかけは、

人生の至るところに転がっているように思います。

意外なところにあるチャンスを見落とさないように

生きていきたいものですね。


たがしゅう
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コメント

漢方薬

2014/12/27(土) 21:16:07 | URL | ホワイトジャック #-
漢方薬は短期使用では重篤な副作用はきわめて少ないと思われるので、感冒の薬としては最適だと思われます。インフルエンザなどでは消炎鎮痛剤により、病状悪化や脳症の危険性があるため、使用しないよう注意喚起されていますが、漢方薬の麻黄湯はインフルエンザの病名で保険適応になっています。西洋薬には抗生物質と抗ウイルス剤を除いては対症療法の意味合いしかない薬ばかりですが、漢方薬は人間が本来持つ治癒力を引き出す効果もあると言われています。抗生物質、抗ヒスタミン剤、消炎鎮痛剤が重篤な副作用をもたらす危険性を考えれば、自ずと感冒には漢方薬が第一選択になります。感染症専門医もそう言っています。


Re: 漢方薬

2014/12/28(日) 08:14:54 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
ホワイトジャック さん

コメント頂き有難うございます。
また漢方のメリットを綺麗にまとめて頂いて有難うございます。

私は、漢方の事を学べば学ぶ程、医学はまだ人体の事を全然捉えきれていないのだという気がしてきます。

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