2022年を振り返る

2022/12/31 17:00:00 | 自分のこと | コメント:2件

2022年も本日で終わろうとしていますが、

未だに続くコロナ禍の世界は、その様相に若干の変化を見せながらも、

残念ながらさらに歪み、捻れる方向に進んでしまっているように私には思えています。

どうすればこの世界の歪みが整えられていくのか、どうすれば狭められた世界の価値観を再び広げ直すことができるのか、

そんなことを考え続け、ともかく自分にできるレベルの実践を繰り返し続けた一年であったように思います。

私が一縷の希望を感じる「対話」という方法を、来年もさらに深め、広げていこうと考えています。 さて、私のこの一年を振り返ってみようと思います。

今年のブログ記事数は68記事でした。比較対象として2021年は130記事、2020年が146記事、2019年が178記事、2018年が297記事、2017年が372記事でした。年々ブログの更新頻度が下がっています。

ただ今年はそれと同時に「対話」活動を充実させていくことにもかなりの時間を割いてきました。

公開型「対話」イベントとして「オープンダイアローグ」を経験できる場を月4回程度オンラインで提供し続けたり、

その経験から派生して、「対話型ファシリテーション」という事実質問を駆使することで相手への気づきを促しやすく手法についての練習会を開催したり、

以前も積極的に興味を持っていた「哲学カフェ」の活動をオンラインで再開させるなど、

誰もが無料で気軽に「対話」を経験できる場を複数提供するようにしてきました。

加えて私が最も力を入れたのは、2021年12月より私が立ち上げた「たがしゅう対話重視型コミュニティ」の運営でした。

当初は月額定額制のオンラインサロン形式にしていましたが、「対話」の特性を踏まえつつ、メンバーとの「対話」も積み重ねていく過程で修正を加え、

現在は初回入会費500円のみでの永年無料の料金システムで非対等性が意識されにくい形で運営しており、

あえて私の収益はほぼお気持ち程度の状況で運営することにしています。そうすることでむやみやたらに人を集めず、尚且つ「対話」に参加する仲間を集めやすい状況を作っているつもりです。

そのコミュニティ主催で、毎月1回「対話」に役立ちそうな本についての勉強会をオンラインで開催し、本日までに12冊の本を扱ってきました。

ちなみにこちらのオンライン勉強会は毎月第二日曜日20時開催で、コミュニティメンバーでない人も参加費1000円で参加できる公開形式で行なっております。

それ以外にもコミュニケーションアプリ「Discord」を使用して、コミュニティメンバーと交流したり、有益な情報を交換し合ったり、

年に2回はリアルの場で交流できる機会(※原則コミュニティメンバー限定)を提供したり、コミュニティメンバー間で必要に応じて連続的にオープンダイアローグの機会を持つようにしてきました。

振り返ってみると、2022年は私にとって「対話」にひたすらチャレンジする年であったようにも思えます。

さらに言えば、2020年1月に始めて、3年目に入った「たがしゅう公式メルマガ」でもほぼ毎週1回メールマガジンを発行し、今年一年で48通の発行を行いました。

これらの運営を行いながら、かつ本業のオンライン診療も運営、さらには産業医活動が発展して健康コンサルタント業務へも発展させるようになり、

同時にかねてからの念願であった執筆活動を軌道に乗せていきました。

ここで昨年、私が立てた2022年の目標がどうであったかを再確認してみようと思います。

【2022年の目標】
①「たがしゅう対話重視型コミュニティ」の活動を充実させる(目標メンバー数30名以上へ)
②本の執筆を完了させる
③ブログは月8-10本ペースを維持
④Twitter, Facebookに加えてInstagramも情報拡散ツールとして頻回に活用する
⑤たがしゅうオンラインクリニックの活動は現状維持(産業医契約は4-5社程度で)
⑥YouTube, Noteは無理せず気が向いたら更新する(できれば月2回程度更新)。
⑦海外移住はタイミングを見計らい、できない間は国内の良いところを探索し続ける


順に確認してみます。まず、①の「たがしゅう対話重視型コミュニティ」については前述のようにかなり充実したと思うのですが、

現時点でのコミュニティメンバー登録されているのは19名です。目標にはなかなか届きませんでした。

2022年のスタート時点では7名だったので、増えるには増えたのですが、1年を通じて、途中でメンバーの入会者数は打ち止めになってきた印象がありました。

なぜ打ち止めになってきたのか、どうすれば「対話」に参加するメンバーが増えていくのか、引き続き考え続けていこうと思っています。

②の本の執筆に関しては、2日ほど前にようやく原稿の草案を書き終えることができました。こちらはなんとか目標達成といったところです。

ですがあくまでも草案であって、見返すと重複する内容や表現に荒さが目立つところがあったり、これから何度も推敲を重ねて整えていかないといけないので、これからがまだまだ大変だといった段階です。

それでもここまで長い文章を書いたのは人生で初めてだったので、私にしてはよく頑張ったと言える成果だったと思います。

来年はこの原稿を本として出版できるよう何とか頑張りたいと思います。

③ブログの月8-10本ペースは全然達成できませんでしたね。月8本でも年間96本ですから、68本は全然たりませんでした。

感覚的には書きたい内容は山ほどあったので、書けるだけのネタはあったけれど、私の体力がついていかなかったという感じでした。

私も齢40を超えてしばらく経ちますので、身体的能力はこれから下り坂になっていくであろうことを踏まえ、ここから先はやるべきことの優先順位を意識しながら創作作業を行なっていく必要性を感じています。

④のTwitterとFacebookに比べてInstagramも情報発信ツールとして活用する、に関しては全然ダメでした。なぜかInstagramを活用するのが私は極端に苦手のようです。

それどころかTwitterやFacebookでの情報発信でさえ低調になってしまいました。多分自分の中では「対話」を意識したが故の変化ではないかと思っているのですが、Instagramの苦手さについてはそれとは別の理由がありそうに感じています。

とは言え、気が進まない情報発信をあえて行う必要もないと思うので、あせらずに、さりとて無理だと決めつけることもせずに、自分の情報発信スタイルを模索し、磨いていきたいと思います。

⑤たがしゅうオンラインクリニックの活動は現状維持できたと思います。産業医で契約している会社は現在4社なので、こちらも目標達成です。

ただ、実はオンラインクリニックの方は来年保険診療から撤退しようと考えています。その理由を知ってもらうには丁寧な説明が必要だと感じていますので、詳細については別の機会に語ろうと思います。

⑥についてはYouTubeは数えるくらいしか更新できませんでしたし、Noteに至っては無更新でした。気が進まないという感覚が強かったのに加えて、

実はYouTubeの方では私のような小さなチャンネルに対して運営側から「動画が削除される」という処置が行われるということを今年初めて経験しました。

削除された動画のタイトルは「検査を受けないという選択肢」。当ブログでも過去記事でさんざん触れてきた因果関係を証明しないPCR検査の問題点を踏まえて、コロナ様の症状を感じた時にどう行動すべきかについて私の提案を紹介した内容でした。

この動画が公開されたのは2020年4月、削除されたのが2022年11月だったので、実に2年以上の月日が流れてからの唐突な削除処置でした。

内容的にも時期的にも言論統制を意識せざるを得ない状況でしたので、このままYouTubeというプラットフォームを使うことに大きな疑念を感じる出来事でした。

なので動画情報発信の在り方を私なりに考え直していきたいと思っています。

⑦の海外移住は、ロシアとウクライナの戦争によって大きく阻害された状況になってしまいました。

しかし11月にたまたまですが、ギリシアへの出張機会があり、コロナ禍に入って初の海外を経験することになりました。

期せずして日本と海外とを比較する機会を得て、外国から見ると日本がいかに歪んだ状況になっているかを改めて実感することにもなりました。

政治、メディア、現代医療制度やそれを支える文化的価値観を踏まえると、日本を内側から建て直すのはもはや絶望的な状況だと私は感じていますので、

海外へ移住して外から日本へ働きかけ続ける選択肢は引き続き前向きに考えて行きたいと考えています。


それから68記事と少ないながらも書いてきた今年のブログ記事の内容についても振り返っておきましょうか。

私の中では2022年に前半のブログでは、「対話」の重要性を語っていくと共に、コロナ禍の「分断」の状況から再びつながりを作り直していくというプロセスに力を入れていて、

もうコロナ禍に関する分析はこれで終止符にしようという気持ちを込めて「コロナ禍総括、ではどうする?」という記事を書きました。奇しくも私がブログを始めて2000本目となる節目の記事でした。

その内容は今でも色褪せない、これからの世の中でつながりを再構築していくための必要な指針だと自負しているのですが、

残念ながらその声が多くの人に届くはずもなく、世の中はその後もコロナの話題からなかなか離れられずにいる状況が続きます。

一方で海外ではコロナから卒業するという動きも顕在化していく中で、日本だけがその流れに大きく遅れをとっているという違いが年の後半になっていくにつれて目立ってきたように思います。

しかも海外においてもコロナからの卒業の理由に、ワクチンが普及したことが前提とされているようなところもあり、それには私は納得ができませんでした。

このブログで何度も述べてきたように、私はコロナワクチンは科学の暴走が凝縮された結果、具現化された世紀の大失敗であり、史上最悪の薬害だと考えてきました。

だからワクチンのおかげでコロナ卒業というストーリーには到底納得ができませんでしたし、むしろ「なぜここまで効かないワクチンが多くの専門家達によって推進され続けてきたのか」という歪みについて詳細に分析して、

二度と同じようなことを引き起こさないための方策を導いていかないといけないという必要性を強く感じていました。

その理由を個人的に分析していく中で、医学論文の闇に切り込むことになりましたし、

「正義」という感覚の恐ろしさ、「自分達だけが絶対に正しい」と思うことの凶暴性を強く認識するに至りました。そのようなことを指摘する記事も今年は多かった様に思います。

どれだけ理路整然と丁寧に説得したり、相手の矛盾点を指摘したりしたところで、相手が強い正義感を持っている限り、絶対に折り合いをつけることはできないのだと、

だからこそ「正義」と「正義」をぶつけて戦うのではなく、複数の「正義」が互いに混じり合うことなくありのままに共立するポリフォニックな世界を作る「対話」というアプローチに希望を感じたという言い方もできるでしょう。

そして私の中で今年大きかった出来事として、「がん放置療法」で有名な近藤誠先生が亡くなられたことでした。

近藤誠先生は私にとって、その主張に賛同しきれない所のありながらも、自分も同様に感じるがん医療への大きな違和感を、先駆的に言語化してくれていた尊敬すべきパイオニアでした。

また折しも私は今年のはじめに、同じく現代医療の問題点に鋭く切り込んだパイオニアで、免疫学者の故・安保徹先生の思想と対話を試みていたタイミングでもありました。

お二人の先駆者の先生が人生をかけて残された偉業、それでも変わらない現代医療の壊滅的に変え難い旧態依然たる構造に対し、

おこがましいながらも両先生の意志を引き継ぎ、何とか現代医療の構造を変えていきたいという気持ちを新たにし、近藤誠先生の著作を徹底的に読み直しました。

同時並行で近藤誠先生の主張に真っ向から対立するがんの専門家、いわゆる腫瘍内科医の医師達の主張にも耳を傾けながら、近藤先生の主張の妥当性を再検証して行きました。

その結果、「上に凸の形をした生存曲線」の不自然さをはじめとした近藤先生の指摘の数々は、全体としてかなり理にかなったものであるとの判断に至り、

逆に腫瘍内科医の主張は、現代医療の常識的価値観から来る思い込みや決めつけなどの思慮が浅いと言わざるを得ない主張が目立つということも明らかになり、

その構造は糖質制限食を否定する糖尿病専門医、コロナワクチンを推進する感染症専門医とほぼ同じ構造があるということに気づかされ、それについても記事の中で何度か取り上げてきました。

そしてもう一つ、2022年元日のブログ記事で紹介した「社会構成主義」が元となって、私が提唱する「主体的医療」を考える上で、そして実践に移す上で極めて重要な視点に、今年の後半に気づくことができた様に思います。

それは「自分」というものをどのように捉えるかという視点です。

一言で言えば、「自分」を「境界画定的存在」としてではなく、「変幻自在的存在」として捉えることが、「主体的医療」の具体的な実践へとつなげるための鍵となる、ということです。

もっと言えば、「自分」を「変幻自在的存在」として捉えることができれば、現代医療の枠組み、およびそれによって現代医療の中での常識的価値観を疑い、「病気」を今までと全く別のものに認識して世界を変えていくことができるといってもいいと思います。

大袈裟に聞こえるかもしれませんが、主体的医療を広めていくプロセスは、戦争のない世界へと近づけることと共通構造がある様にも思っています。

この辺りは今私が一生懸命したためている執筆中の本の中でもう少しわかりやすく伝えることができればと思っていますが、

いずれにしても私の中で目指すべき方向性が明確になって、壁を乗り越えられるかもしれないという可能性も見えてきた一年になったと言えるかもしれません。

「社会構成主義」に触れたことのない方には、是非何らかの形でこの考えに触れてみられることをおすすめします。


というわけで最後に2023年の目標を書き留めて、今年最後のブログ記事を終えようと思います。

【2023年の目標】
①本を出版する!
②たがしゅう対話重視型コミュニティの活動を2022年末時の状態から発展させる
③たがしゅうオンラインクリニックの診療活動を自由診療の一本化に戻す
④たがしゅうオンラインクリニックと連携してくれる医療機関(病院、薬局、鍼灸院、整骨院など)を増やす
⑤ブログは週2記事(月8記事、年96記事)を、メルマガは週1回配信を維持できるように努める(それ以外の情報発信は無理せず焦らずできるだけ)
⑥オンライン産業医契約を5社を目標にする。健康コンサルタント契約を3社目標にする。
⑦海外移住の候補地を下見する
⑧主体的医療の世界に継続的にふれることができるオンライン上の場を作る


①が私にとって一番大きな挑戦ですね。これは何とかして成し遂げたいと思います。

⑧は具体的にどういうことなのかと思われるかもしれませんが、正直私の中でもまだ構想は固まりきっておりません。

ですがこれを作ることができれば、今よりも良いと感じる世の中に近づけていけるかもしれません。ある意味で今の私にとっての希望の星です。

一番はこの目標にまで届く様に、また②から⑦までの目標も意識しながらも、来年も頑張っていこうと思います。

そんなわけで今年のたがしゅうブログはこれにて終了いたします。

読者の皆様、今年も当ブログを読んで頂き有難うございました。どうか良いお年をお迎えください。

そして来年も引き続き何卒宜しくお願い申し上げます。


たがしゅう
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コメント

2022/12/31(土) 23:42:55 | URL | 後藤 昇 #-
先生、今年もお疲れさまでした。そしてありがとうございました。

ブログ数は減っているかもしれませんが内容が非常に濃くて且つ、丁寧で長いので私のようなど素人にはむしろちょうどいいくらいのペースに感じます。

来年もよろしくお願いします。

Re: タイトルなし

2023/01/01(日) 09:04:23 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
後藤 昇 さん

 コメント頂き有難うございます。

> ブログ数は減っているかもしれませんが内容が非常に濃くて且つ、丁寧で長いので私のようなど素人にはむしろちょうどいいくらいのペースに感じます。

 そのように言って頂けると、記事を書き続ける大きなモチベーションとなります。
 心より感謝申し上げます。

 今年も何卒宜しくお願い申し上げます。 

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