湿潤療法を知って下さい

2024/01/11 12:50:00 | モイストケア | コメント:13件

当事者にとってはきつい話となり得るので書くかどうか迷いましたが、やはりこれはすべての人に知っておいてもらう必要があることなので取り上げようと思います。能登半島地震の際にやけどを負った5歳の男の子が、受傷から4日後に亡くなるというニュースが報じられました。日刊スポーツ5歳児亡くした母「何もできなくてごめん」倒れたやかんの湯でやけど 入院断られ容体悪化の末に[2024年1月10日8時3分 ]記事によると、この男の子...続きを読む

「なつい式湿潤療法®」の治療経験から感じたこと

2019/06/06 15:15:01 | モイストケア | コメント:4件

私は内科医ですが、今いる病院では「なつい式湿潤療法®」で傷の治療も行っています。それまでは脳神経内科医として勤務していた別の病院では傷の治療に遭遇する場面は当直の時くらいで、傷をみたとしても夜間で診療した1回切りで、その後は病院のシステム上、外科で診てもらうよう任せざるをえなかったりして、自分でそのまま最後まで患者さんの傷の治療に携わるという機会は少なかったのですが、今の病院に勤めて2年余り、ようや...続きを読む

ラップ療法でうまくいかない例の検証

2017/10/20 00:00:01 | モイストケア | コメント:13件

自院の褥創回診を担当し始めて半年が経ちました。鳥谷部俊一先生考案の開放性ウェットドレッシング療法(Open Wet-dressing Therapy:OpWT)、通称「褥創のラップ療法」を取り入れることによって、他院で治癒を諦められていたにも関わらず、治癒・寛解に持ち込んだ例も数例あります。ただ、正直言って全例ラップ療法でコントロールできたわけではありません。とある仙骨部の巨大褥創患者の寝たきり患者さんで穴あきポリエチレン袋...続きを読む

治療の選択肢を与え続ける

2017/06/08 00:00:01 | モイストケア | コメント:7件

新しい病院に移って湿潤療法を行う機会がかなり増えてきました。ただいわゆる急性期病院ではないので、外傷したばかりの人がそのまま受診するというケースは少なくて、他所の急性期病院で従来治療を受けた患者さんがリハビリ目的で当院へ転院して来て、傷の治療を同時に引き継ぐという形で診る機会が多いです。十数例の症例を診てきて、前医が行っている創傷治療で湿潤療法を取り入れているケースは残念ながら皆無です。中にはすで...続きを読む

不完全な湿潤療法

2017/05/12 00:00:01 | モイストケア | コメント:0件

現在私は今いる病院で糖質制限や湿潤療法の普及に努めています。先駆者の夏井先生の御尽力のおかげで、少なくとも私の周りでは湿潤療法という言葉を聞いたことがないという方は大分少なくなっている印象です。その一方で湿潤療法の理解が中途半端で、不完全な湿潤療法を行ってしまっているケースも思いのほか多いようです。中でも一番多いのは湿潤環境を保てど、有害な外用剤を一緒に使ってしまっているケースです。具体的には、ゲ...続きを読む